離別のファクター
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さぞ心地よかったろうなぁ、ええ? なあ、今から管理局の正義を捨てる俺に選別として教えてくれよ。正義のために惚れた女を生贄にするってどういう気分なんだ?」
「アイツを……生贄になど……」
「事実だろうが、いい加減認めろや。そういう意味じゃ実際、レジアス中将の方が覚悟決まってるよな。ま、俺にはもう関係ないが。お前らもどうせ死ぬなら、管理局や“元”隊長のバカな正義に付き合ってくたばるより、好きなことをしてからの方が良いぞ! あ〜辞めてせいせいしたぜ! じゃあな、あばよぉ!」
周りで俯いてる局員達にもそう吐き捨て、アルガスはこの場を去っていった。去り際に管理局のバッジをわざわざドスンと踏みつけていった辺り、相当幻滅していたのだろう。
この空間が痛々しい沈黙に包まれ、ゼスト隊長も何も言えない中、徐に局員達が管理局のバッジを外していった。
「すみません、隊長。自分も……無理です」
「私も……もう戦いに行くのが怖いです」
「俺だって、正直限界なんです……」
「僕も……駄目です。もう管理局を、仲間を信用できないんです……」
「私も……ごめんなさい」
「すいません、本当に……すいません」
そうしてアルガスの不満噴出による言葉はこの場にいた皆にも届き、次々と後を続く者が現れてしまった。クイントさんは必死に呼び止めていたが、心が折れてしまった彼らにその気持ちが届くことはなく、気付けばこの場にいた局員のおよそ200人、生存していた武装局員の8割程度が辞めてしまったのだった。彼らのほとんどが負傷でまともに戦える状態じゃなかったとはいえ、この現実はまだ心が折れずにいた事務系や医療系の局員にも堪えてしまい、作業の手を止めさせていた。
「これから出撃だというのに、まさか……こんなことになろうとはな……」
いきなり大人数の退職に流石のゼスト隊長も天を仰ぐが、正直な話、俺もこれをきっかけに管理局を辞めるべきなのではないか、とも思っていた。実際、無謀な戦いばかり押し付けられるなら、さっさと辞めた方が生存率も高くなるだろうし。
「俺は……」
「ティーダ……管理局の正義が偽りだった以上、こうなるのは避けられぬ事だったのだろう。だから、お前が辞めるのも止めはせん……」
「確かに、俺は彼らの選択を間違ってるとは思えない。勝てない相手から逃げること自体はヒトとして正しいとも感じている。ただまぁ、辞めるのはもうちょっとだけ足掻いてからにしたいです。そうですねぇ……」
苦笑しながら俺は答える。
「ゼスト隊長がくたばったら、俺も管理局を辞めるとしましょうか」
「ティーダ……」
「そういう訳なんで、仲間をこれ以上減らさないためにも長生きしてもらいますよ隊長殿?」
「そう、か……なら尚更、俺
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