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リリなのinボクらの太陽サーガ
離別のファクター
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ス! 貴様、それは管理局員としてあるまじき発言だぞ!」

「だからさっき言ったろ、全部ぶっちゃけるってな! 大体今の管理局で働いてもロクに給料も払わねぇし、休みも全部潰されて、その上死地にばっかし送る! 裏にいた連中が散々やらかしたせいで、命がけで守っている市民からも白い目で見られる! こちとら必死でやってるのに、一部のアホのせいで非難されてばかりだ! もうたくさんだ! どうせ死ぬなら今の内に好き放題やってから死んでやる! 何の役にも立たない組織なんざぁ、こっちから願い下げだ!」

と叫んで、彼は管理局の身分証明でもあるバッジを投げ捨てた。傍から見ていて、あの無精髭の局員は輪を乱していると言えるのかもしれないが、しかし隊長以外の誰も彼の言葉に異を唱えないことから、少なからず彼の言葉に共感しているのだろう。殉職なんて、普通は嫌なのだから。

「待て、アルガス! 今は一人でも戦える者が必要なんだ! お前ほどの実力者にいきなり抜けられてしまったら……」

「やれやれだぜ。一応は人格者として知られるゼスト隊長でさえ、俺のことは最後まで戦力しか見てねぇのな。くだらねぇな……“元”隊長! そんなんだから今も“20年前”も女にも逃げられるんだよ!」

「な……」

20年前? 今が歌姫シャロンのことを言っているのはわかるけど、20年前にも女絡みで何かあったのか?

「……アイツは、今は関係ないだろう」

「古株なめんな。ゼスト隊長、アンタは彼女がああなったのはまだ自分のせいだと思ってるんだろう? それでレジアス中将共々、管理局の正義に固執するようになった。自分達の道は間違っていないのだと、そう思い込んでな。だが現状を鑑みると、正しかったのは彼女の方だったなぁ?」

「やめろ……! アイツは……アイツは……急ぎ過ぎたんだ……! 自分の正義に正直すぎたんだ……!」

「そうだ、彼女はゼスト隊長やレジアス中将と同じ……いや、それ以上に正義感を強く持っていた。管理局の歪みに対し、悠長に待つのではなく、迅速な対応をしようとした。出世で立場を得て内側から変えようとしたアンタらと違い、すぐにでも現状を変えようとした。そして……弱者の味方として手を汚した彼女は監獄島送りにされ、イヌに甘んじていたアンタらがのうのうと出世した。さて、これは治安を守る組織としてはどうなんだ?」

「……」

「答えられないか? ハッ、最強騎士の名が泣くぜ。どれだけ腕っぷしを磨こうと、惚れた女を刺した事実からま〜だ目を背けてやがるもんな。普段アンタが支給品の槍を使うのも、それが理由なんだろう? 彼女を刺した感触を思い出すから、自分の槍を握れないんだろう!? この軟弱者め!」

「ぐ……」

「自らの正義を信じた女より管理局に都合の良い正義を選んで得た地位は
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