第77話
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オットは呆けた声を出した後不安そうな表情で訊ねた。
「他にも理由はいくつかあるが、その内の一つはみんなも知っているように俺はかつてトールズに留学する前に所属していたメンフィル帝国軍の訓練兵達を集めたクラスの中でも将来有望な逸材ばかりが集められた学級――――――”黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”に所属していた。そして訓練兵卒業後の”黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”のみんなはトールズに留学した俺と、フェルディナント先輩との婚約を機に俺達の卒業と同時に軍を辞めたドロテア先輩を除いてそれぞれ親衛隊の所属になったり、戦場での活躍を評されて10代という若さで左官クラスに昇進したりと、みんなそれぞれ軍人として輝かしい道を歩んでいる。」
「へ…………こ、”婚約”って事はあの二人って婚約者同士なの!?」
「フェルディナントだっけ?確かその人とローレンツって人はユーシスやパトリックみたいなやたらと”自分達が貴族である事にうるさい人達”で色々とメンドイ人達に見えたけど、”貴族”なのに平民――――――それも孤児院出身の人と婚約したの?」
リィンの説明を聞いてある部分が気になったアリサは思わず呆けた声を出した後驚きの表情でフェルディナントとドロテアを思い浮かべながらリィンに確認し、フィーは不思議そうな表情でリィンに訊ね
「貴様は俺の事をそんな風に見ていたのか……しかもパトリックと俺を同類にするだと……?以前と比べると貴族として少しはマシになったとはいえ、俺とパトリックを一緒にしないでもらおう。」
「まあまあ……」
フィーの疑問を聞いたユーシスは顔に青筋を立ててフィーを睨み、その様子にアリサ達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中エマが苦笑しながらユーシスを諫めていた。
「コホン。――――――そういう訳だから、俺にも”黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”の”誇り”がある。当時訓練兵達――――――いや、歴代の”黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”の中でも逸材揃いと言われていた上”皇帝三軍将”の一人に担任をしてもらい、卒業後は輝かしい道を歩んでいる仲間達に、そして恩師に誇れる”黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”の一員である事を示す為にも、今の状況でメンフィル軍を離れるつもりは毛頭ない。」
「オレ達にトールズやZ組の”誇り”があるように、リィンは”黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”の”誇り”の為にも”今の立ち位置”にいるという事か……」
「それもまた正しい考えであるから、私達は君のそのその考えを否定できないね……君は”Z組に来る前は黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”だったのだからね。」
「リィン君……」
咳払いをしたリィンは静かな表情で自信の意思をアリサ達に伝え、リィンの意思を知ったガイウスやアンゼリカ、トワは複雑そうな表情でリィン
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