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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第77話
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て呼び止め、サラは厳しい表情でリィンに声をかけた。

「話も何も、俺――――――いや、俺達の意思は既にカレル離宮で伝えていますし、それぞれトールズとアストライアにも退学届けを提出しています。……もしかして今の状況でもなお、クロウの時のように”メンフィル側についた俺達を取り戻す事”を考えているんですか?”俺達にとっての祖国にして、エレボニア帝国の戦争相手であるメンフィル帝国”に筋を通す事もなく。もし、メンフィル帝国に筋を通す事無くそのような事をすれば今回の戦争の状況が更に混沌な状況に陥り、挙句俺達や俺達の家族、それに俺の”使用人兼娼婦”という名目で俺の傍にいる事で、メンフィル帝国が求めていた”ユミル襲撃”の原因になってしまった件を許してもらえたアルフィンのメンフィル帝国内での立場が危うくなる可能性が非常に高い事くらいはさすがに理解していると思いますが。」
二人に声をかけられたリィンは振り向いて静かな表情で指摘し
「それは…………」
「……確かに君達をクロウの時のように取り戻したいとは思ってはいるが、幾ら何でもメンフィル帝国に筋を通さないといった愚かな事は考えていないよ。それにアルフィン皇女殿下の件については、既に今の私達にとっての後ろ盾であるオリヴァルト皇子殿下が納得されているから、メンフィル帝国が求めたアルフィン皇女殿下の”処罰”の件で私達にはとやかく言う権利はない事くらいも理解しているさ。」
「その…………”黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”だったか?トールズにいた時のリィンはその人たちのことについて何も教えてくれなかっただろう?できれば、僕達もその人達の事について知りたいんだ――――――僕達のように君の事を大切なクラスメイトだと思っている彼らの事について。」
「それにリィン、さっきのブリーフィングの時もそうだけど今もアルフィン皇女の事を躊躇いなく呼び捨てで呼んだよね。その事についても興味があるんだけど?」
「フィ、フィーちゃん。」
リィンの指摘に反論できないガイウスは複雑そうな表情で答えを濁し、アンゼリカは静かな表情で答え、マキアスは咄嗟に思いついた理由を口にし、マキアスに続くようにジト目でリィンを見つめて呟いたフィーの言葉を聞いたエマは冷や汗をかいた。

「すまないが、これでも”軍団長”の身だから、色々とやることがあって今の俺に君達の為に割ける時間はないんだ。それに”黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”の件にしても、灰獅子隊を率いる立場を任せられた者として灰獅子隊――――――メンフィル軍に所属している軍人達の個人情報をみだりに口にすることはできない。」
「リィン君……」
「――――――この戦争で随分と変わったな、お前は。まさかとは思うが兄上の件で俺……いや、俺達と元通りの関係には戻れないと判断して、そのような態度を取
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