第28話『命を救う為に!虚影の幻姫の戦略〜そして挑戦へ!』
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しそうになったが、何とか理解に努める。
そして、既に理解し、この状況を打破する展開を組み立てた戦姫がいる。
まだルークの説明は終わらない。
「問題はこれからだ。この方法で造られた刀は非常にもろい。高濃度の霊体を含むため、素材である玉鋼が許容限界をこえやすいんだ」
「もって三太刀……と言いたいところだが、使い手を考慮するとたった一振りが限界だ」
「それで……あの魔物を倒せるのか?」
「まず倒せないだろうな、『俺たち』では」
そうルークは断言し――
「だから、倒すためにガイの力が必要になる。俺たちの子どもを助けるために、お前たちの力が必要になる。そして……」
ここでルークはセシリーに向き直る。
「俺の嫁の力が必要になる。だから……力を貸してくれ!」
ルークはまっすぐにこちらを見つめてくる。
――――この瞬間、ヴァレンティナは勝利と収束の図式を見出した!!――――
「みなさん、聞いてください。私に考えがあります」
魔剣精製中のルークもリサも、一同はヴァレンティナに目を向ける。
「フィグネリアは木につるされている子供を受け止めてください。ティッタは子供をフィグネリアから受け取ったらすぐにこの場から離れてください」
本来なら母親であるセシリーに預けるべきだろう。だが、ここへ駆けつける途中、リサから聞いた話では、セシリーの身体はまだまともに動いていい状態ではない。子供を産んでからは数カ月大事を取らねばならないのだが、ここまで走ってくるだけでも想像を絶する負担だったに違いない。つらいだろうが、母親への懐へ預けるのはしばし我慢してもらわねばならない。
ここでフィーネに疑問が生まれる。自分自身、確かに跳躍には自信がある。だからこの役目には最適なのはわかる。
しかし、フィーネが赤子のコーネリアスに接触した瞬間、ヴォジャノーイに狙われるのは間違いない。魔物の攻撃をうければ、赤子もろとも絶命してしまう。
「だがヴァレンティナ、どうする?私があの子供と接触すれば、あの蛙野郎は私もろとも殺しにかかるぞ。一度奴の攻撃をどこかへ受け流す必要があるんじゃないか?」
「分かっています。その役目はわたくしが引き受けましょう」
にこりと、ヴァレンティナは答えた。緊張感のカケラもない明るい笑顔のせいで、見る者は調子がくるってしまう。それがどれだけ危険な役目か、この女は分かっているのか?
「できるのか?ヴァレンティナ」
「愚問ですね。できようが出来まいが、この状況で突き付けられた要求をはねのけるに足る理由は存在しません。『やる』のです」
もしこの場に凍漣の主リュドミラ=ルリエが居合わせていたならば、オルメア会戦の軍議を彷彿とさせていただろう。ティグルの不安な問
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