第76話
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君はエレボニアの帝都――――――”ヘイムダル”の出身かい?」
「は、はい。ですが僕が帝都の出身である事と今の話と何か関係があるのでしょうか?」
ローレンツの問いかけにエリオットは戸惑いの表情で答えて質問を続けた。
「大ありだよ。先程君も口にしたように、ヘイムダル――――――つまり、”中央に住んでいる平民達”にとっては皇帝を含めた皇族をその目にする機会もあるだろうから、皇族や国に対する想いはある程度身に着くが、中央から離れている”地方の平民達”にはそんな機会はないから、今リシテア達が言ったように皇族や国に対する想いはそれ程でもないのさ。現に、去年の内戦でも地方の平民達は皇族に対する不満等もそうだが、平民達にとっては貴族連合軍だろうと、正規軍だろうと、どちらが勝者でもいいから早く内戦を終えて欲しいような事を口にしていたと思うのだが?」
「………………………………」
「そ、それは…………」
「……確かに今ローレンツ准将が仰ったような事は内戦時、平民の方達が口にしているのを何度も聞いた事があります……」
ローレンツの推測を聞いたリィンは心当たり――――――かつてケルディックの”太市”をアルフィンと共に廻っていた時に聞いた平民達のアルノール家に対する不満を思い返して目を伏せて黙り込み、リィン同様心当たりがあるトワは辛そうな表情で答えを濁し、エマは複雑そうな表情で肯定した。
「その…………ドゥドゥーさんは”メンフィル独自の制度に助けられた”と言いましたけど、具体的にはどのような制度に助けられたのですか?」
その時マキアスはその場の空気を変えるためにラウラ達の様子を気にしながら複雑そうな表情で訊ねた。
「”就学給付制度”だ。」
「ちなみに”就学給付制度”とは両親のような”保護者”がいない未成年者等といった”何らかの理由で一般の平民としての生活をすることも厳しい者達”がメンフィルの軍人や文官、使用人等”メンフィル帝国に直接仕える職業”の勉強を学んだり、訓練を受けて必ずその職業に就職して一定の年数を務める事を”確約”する代わりに、メンフィル帝国がその対象となる者達にさまざまな援助をすることです。」
「対象者の就学中の間の衣食住の保証は当然として、毎月2万ミラだが筆記用具等の生活する上で必要となる消耗品の入手の為の手当まで支給されるし、もしその制度を利用した対象者に家族がいれば、その家族に毎月ごとに一定の生活費が支給されるし、対象者自身もそうだが、その家族も病気や骨折等と言った医者や神官等が必要な事態に陥れば無料で治療を受けられる制度だ。」
「そんな制度がメンフィルにあるのか……」
「ええ……私もメンフィルに留学した際にその制度を学んだ時はその制度に隠されているメンフィル帝国の慈悲深さと合理的な部分に驚くと同時に感心したわ……」
「生活に困っ
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