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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第30話:三つ巴の争奪戦・その2
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か表情は暗いながらも頷いた。
気落ちした様子の彼女の頭を、颯人は少し乱暴に撫でた。
「わわっ!?」
「すまねぇな、響ちゃん。了子さんとケースは頼んだぜ。ま、どうしてもきつくなったらケースの方は捨てちまいな。どうせ大した価値なんて無いんだから」
「そ、そんなの駄目ですよ!?」
颯人の言葉に逆に必死にケースを抱きしめる響に、彼は軽く苦笑する。
そして彼は、奏も同様に対人戦では全力を発揮できないだろうと、あまり無理はしないように言おうとそちらを見た。
「奏! お前も――――」
声を掛けようと、颯人が奏の方を見た。
その彼の視線の先では――――――
「ハァッ!!」
「ガッ?!」
「らぁっ!!」
「ぐあぁっ?!」
目の前に立ち塞がっていたメイジ2人を、アームドギアを振るいあっという間に叩きのめす奏。
その彼女の背後に2人のメイジを倒して隙が出来た所を狙った別のメイジが迫る。颯人がまずいと彼女を援護しようとすると、それより早くに奏のアームドギアの石突がメイジの顔面を直撃した。
「ごっ?!」
予想外の一撃にメイジがふらつく。その隙を突いて振り返りざまに振るったアームドギアで、背後から迫っていたメイジも倒してしまった。
あっという間にメイジ3人を叩き伏せた奏に響は勿論、颯人も唖然となってしまう。
そんな2人に気付いた奏は、特に颯人に向けて得意げな笑みを向けた。
「ん? 何だって?」
「…………何でもねぇよ!? 余計なお世話だった!」
心配など不要なほど全力を出してメイジと戦い叩きのめす奏に、颯人は半ば不貞腐れる様にそっぽを向く。その彼に、メデューサの相手をさせていた使い魔三体が飛ばされてきた。
飛ばされてきた使い魔三体の内、颯人がクラーケンとユニコーンを、響がガルーダを受け止める。
「おっと」
「わわっ!?」
2人が受け止めた使い魔達は、メデューサとの戦いで魔力を使い切ったのかそのまま2人の手の中で指輪に戻ってしまう。颯人は指輪に戻った使い魔三体を懐に入れ、ウィザーソードガンを構えてメデューサと対峙する。
「小癪な真似をしてくれたな――――!?」
「よぉ、メデューサ。幹部のくせして高々使い魔程度に随分と時間食われたじゃねぇか? 普段の戦いを部下に任せっきりで腕落ちたんじゃねぇか?」
小馬鹿にしたような颯人の言葉。仮面を被っているのでメデューサの顔は見えなかったが、それでもメデューサの額に青筋が浮かんだのを響は幻視した。それほどに、今のメデューサからは怒気を感じていた。意識せず、響はケースを両腕でギュッと抱き締める。
その響の手を引く者がいた。了子だ。何時の間にか響の近くに来ていた彼女は、響の手を引きこの場か
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