暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第30話:三つ巴の争奪戦・その2
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
か表情は暗いながらも頷いた。
 気落ちした様子の彼女の頭を、颯人は少し乱暴に撫でた。

「わわっ!?」
「すまねぇな、響ちゃん。了子さんとケースは頼んだぜ。ま、どうしてもきつくなったらケースの方は捨てちまいな。どうせ大した価値なんて無いんだから」
「そ、そんなの駄目ですよ!?」

 颯人の言葉に逆に必死にケースを抱きしめる響に、彼は軽く苦笑する。

 そして彼は、奏も同様に対人戦では全力を発揮できないだろうと、あまり無理はしないように言おうとそちらを見た。

「奏! お前も――――」

 声を掛けようと、颯人が奏の方を見た。

 その彼の視線の先では――――――

「ハァッ!!」
「ガッ?!」
「らぁっ!!」
「ぐあぁっ?!」

 目の前に立ち塞がっていたメイジ2人を、アームドギアを振るいあっという間に叩きのめす奏。

 その彼女の背後に2人のメイジを倒して隙が出来た所を狙った別のメイジが迫る。颯人がまずいと彼女を援護しようとすると、それより早くに奏のアームドギアの石突がメイジの顔面を直撃した。

「ごっ?!」

 予想外の一撃にメイジがふらつく。その隙を突いて振り返りざまに振るったアームドギアで、背後から迫っていたメイジも倒してしまった。

 あっという間にメイジ3人を叩き伏せた奏に響は勿論、颯人も唖然となってしまう。

 そんな2人に気付いた奏は、特に颯人に向けて得意げな笑みを向けた。

「ん? 何だって?」
「…………何でもねぇよ!? 余計なお世話だった!」

 心配など不要なほど全力を出してメイジと戦い叩きのめす奏に、颯人は半ば不貞腐れる様にそっぽを向く。その彼に、メデューサの相手をさせていた使い魔三体が飛ばされてきた。
 飛ばされてきた使い魔三体の内、颯人がクラーケンとユニコーンを、響がガルーダを受け止める。

「おっと」
「わわっ!?」

 2人が受け止めた使い魔達は、メデューサとの戦いで魔力を使い切ったのかそのまま2人の手の中で指輪に戻ってしまう。颯人は指輪に戻った使い魔三体を懐に入れ、ウィザーソードガンを構えてメデューサと対峙する。

「小癪な真似をしてくれたな――――!?」
「よぉ、メデューサ。幹部のくせして高々使い魔程度に随分と時間食われたじゃねぇか? 普段の戦いを部下に任せっきりで腕落ちたんじゃねぇか?」

 小馬鹿にしたような颯人の言葉。仮面を被っているのでメデューサの顔は見えなかったが、それでもメデューサの額に青筋が浮かんだのを響は幻視した。それほどに、今のメデューサからは怒気を感じていた。意識せず、響はケースを両腕でギュッと抱き締める。

 その響の手を引く者がいた。了子だ。何時の間にか響の近くに来ていた彼女は、響の手を引きこの場か
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ