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銀河帝国革命
コミューン内の対立
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三勢力を担っている。彼等は権威や統制を否定し、国家権力の縮小または廃止を求めており、その思想に反映して、サンディカリスム派と同じく指導者はおらず、急進共和主義派以上に統一した行動を取らない。しかし派閥の殆どが、知識人や技術者、商人と農民で構成されており、コミューンが曲がりなりにも国家としての機能を果たせているのは、彼等の献身的協力があるが故である。

これらの四大派閥を中心として、互いが対立と協調を繰り返しながら革命を推進しているのが、現在のコミューンの政治なのである。





「しかしですね。以前に我々が提出した【帝国軍に機先を制すための積極的攻勢に転ずる作戦案】と【高度国防体制への移行の提言】もあっけなく廃案に持っていきました!これでは我々は戦うことが出来ません!奴等はこのまま何もしなくても帝国が自然崩壊するとでも本気で信じてるんですかね?」

テールマンが発言した【帝国軍に機先を制すための積極的攻勢に転ずる作戦案】と【高度国防体制への移行の提言】とは、帝国軍のロンドリーナへの侵攻を遅らせるため、帝国軍に先んじて少数部隊による奇襲やゲリラ戦を行うというものであり、その作戦を支えるための総力戦体制の構築し中央政府の権限を強化するという提案であった。しかし無所属の評議員や共和主義派の半数が賛成する一方、軍を台頭を防ぎたいと考えた残り半数の共和主義派や、国家による経済の中央統制を嫌うアナキズム派とサンディカリスム派が団結して反対に回り、廃案に追い込まれたのであった。
その結果、人民革命軍の軍備増強は果たされず脆弱な装備のまま、帝国軍の侵攻に備えなければならなくなっていた。

「同志テールマン、君の主張は充分に理解しているし、勿論私も同じ考えを持っている。私の権限の出来る範囲で軍の後援するつもりだ。だがそれ以上は厳しいという事は分かってもらいたい。」

「……承知しました、同志ハンソン。出来得る限りの事はやってみましょう。」

そう言うとテールマンは敬礼をして部屋を去って行った。

「このままでは革命が危ない……だが連中を説得できるだけの力も、黙らせるだけでの力もない。何とかしなくては……」

ハンソンは一人執務室で呟いた。





人民の声を反映させるための改革や、社会政策が強力に推進されていく一方、帝国軍に対する対応や軍の整備に関しては、未だ解決には至っておらず、特にハンソン率いる社会主義派とサンディカリスム派、アナキズム派の対立は深刻化していた。

だが、そんな彼等に対して、遂に帝国軍が牙を剥いたのである。

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