大きな罪
終わりと始まり
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え。聞いてませんので、貰っていませんが。」
「そう。」
「どうかしましたが。」
「実は、今日がその締切りなの。」
「そうなんですか。」
出てきた言葉に思わず、驚いてしまった。
「ええ。そして、八十部印刷しないといけないの。」
「そんな。」
今日中に企画書を作り、八十部も刷らないといけない。
「今から、担当の先生に書類を貰ってきなさい。」
「はい。分かりました。」
顧問と別れ。私は企画書を貰うために担当教師の所に向かった。
「そういえば、私のクラスに生徒会長がいたな。彼に頼んでみよう。」
私は向かう場所を変更して、クラスに向かった。
クラスに着き覗くと、生徒会長はまだ残っていた。
「岸田君。」
岸田徹。彼が私達の学校の生徒会長だ。背の高い理数系の男子。
「どうかした。」
「文化祭の企画書の紙を持ってないかな。」
「少し待って。」
彼は自分のファイルの中から、何も書いていない企画書を探していた。そして、一枚の紙を取り出した。
「はい、今日中に間に合うか。」
「ありがとう。絶対に間に合わせるから。」
私はもう一度頭を下げ、クラスから出た。部室に向かう間に、どんなことを行うかを考えていた。そんなことをしているうちに部室に着いたので中に入り机に向かった。
「さてと始めよう。」
去年の文化祭の状況を思い出しながら、私はペンを走らせた。現在の時刻は三時半。締切まであと一時間。絶対に間に合わせる。
「終わった。」
作業を始めて約十分で、彼女は書きあげた。次は顧問に印をもらい、そして印刷だ。
「先生、印をお願いします。」
「はい。間に合うの。」
「大丈夫です。ありがとうございます。」
私はそれを受け取り、印刷室に急いだ。
「すみません。企画書の印刷を、お願いできますか。」
「いいよ。何部、必要なんだ。」
「八十一部です。」
「三十分くらいかかるぞ。」
「わかりました。」
教師が原稿を受け取り印刷室に入っていった。生徒は入れないので、私は外で待機していることにした。
しばらく経ってから、教師が部屋から出てきた。手には多くの印刷物と、私の書いたオリジナルの原稿があった。
「ありがとうございます。」
「よかったな、間に合って。」
「はい。」
私はお礼を言い、生徒会室に向かった。残り時間は十分のみ。
「失礼します。文化祭の企画書を提出に来ました。」
「どこの団体ですか。」
「美術部です。」
「わかりました。お疲れ様でした。」
頭を下げ、私はその場を去った。
「間に合って良かった。」
八十一部。いや正式には七十九部だが。無事に渡すことが出来た。残りの二部はどうしたのかと言うと、今は私が持っている。一部は顧問に、もう一部は私自身が持つ。そのほう
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