ロンドリーナ・コミューン革命
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帝国第一革命の失敗後、オーディンから脱出に成功したハンソンは、シリウス星系第6惑星ロンドリーナのラグラン・シティーに潜伏していた。
ラグラン・シティーは、まだ銀河連邦すら成立していなかった西暦の時代に起こった【シリウス戦役】の原因となった【ラグラン・シティー事件(ブラッディ・ナイト)】と呼ばれる虐殺事件の舞台となった地であり、現在は豊富な鉱物資源を有する鉱山都市として栄えており、鉱山から得られる莫大な利益は、帝国政府と貴族諸侯の懐を潤していた。しかし、現場の鉱山労働者は、その恩恵を与えられることはなく、過酷な労働を強いられていた。
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ハンソンは帝国内務省の秘密警察機関「社会秩序維持局」の追手から逃れながら、この地の労働者たちの惨状を見て激怒、労働者たちを啓蒙し革命へと導くため、休む間もなく革命活動に勤しんでいた。
「ラグラン・シティーに住まう人民諸君!諸君ら勤労な人民の敵、王侯貴族や地主、資本家は、労働者と農民は愚鈍な民であり、自分達がいなければ生存できないと言っている。
彼らは我々にこう言う。『自分達以外に領地を発展させ、社会の秩序を維持し、愚民どもに仕事を与え、導けるような高貴な存在はいないだろう。私達がいなければ土地は荒れ果て、全ては崩壊し、国家は四散するだろう。一部の忘恩の徒が私達を追い払おうとしているが、混乱に怯えた愚民どもは、私達高貴な存在を必要とするだろう。』
しかし、労働者や農民は、傲慢な彼らの話に混乱したり、怯えたり、欺かれたりはしない!!
労働者や農民は、王侯貴族や地主に資本家がいなかろうとも、自分達自身で労働の適切な分配、献身的な規律の確立、共通の利益への労働が可能な事を証明しなければならない!!
仕事の熱意、自己犠牲の準備、農民と労働者の緊密な同盟、これらは諸君ら勤労な人民を王侯貴族や地主、そして資本家どもの圧政から永遠に救うものだ!!!」
「「「おお、おおおおおおお!!!!!!!!!!」」」
ハンソンはその手腕を存分に発揮し、このラグラン・シティーでも勢力を築くことに成功していたのであった。
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帝国暦485年/宇宙暦794年1月6日、それはハンソンの演説から始まった。
「何百年もの間、貴族や資本家たちエゴイスト共は、自分達の私腹を肥やすため、諸君ら勤労な人民が生み出した利益を社会益の為と詐称し……この自分勝手なエゴを貫徹するために、我々人民が受け取るべき利益の一切を横取りしたッ!
諸君ら労働者が過酷な現場で、一日十何時間も働き続けて、生み出した利益が一切還元されず、僅かな賃金と用途が制限されたクーポンだけが支払われる……このような悪行を許してよいのだろうか?」
「許されるものかー!!」「私腹を肥やす豚共をつるせ―!!」「労働者に人間らしい生
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