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主治医を雇ってみた
第一章
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なりますので」
「実は近頃」
「左様ですね、ではすぐに」
「ふむ、ではわし以外にも家全体の健康管理等も頼めるか」
「それでは」
 キタザトはブエルに恭しく応えた、そうしてだった。
 ブエルの宮殿の主治医として働きはじめた、すると家の者達の健康状況は一変した。
 風呂やトイレは徹底的に奇麗になり部屋もだった、元々奇麗だったがさらに奇麗になった。そして食生活も。
 酒がビールからワイン主体になり肉だけでなく魚や野菜も増えた、その際ブエル自身もキタザトに言われた。
「ブエル様は肉がお好きですね」
「うむ」
 その通りだとだ、ブエルはキタザトに重い声で答えた。今も獅子の頭に山羊の五本の足がある姿ではなく人間に近い姿である。
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