複雑明快な連逢事情
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漂う危険なオーラに、制止の声を上げるべく口を開く。
そして、00'10"00ジャスト10びょう。
「こんの馬鹿犬ぅううううううううううううううううううううッ!!」
「誤がばぁあッ!!」
綺麗な回転運動とともに繰り出された遠心力つきのルイズの爪先が、怒号と共に才人のコメカミに突き刺さった。
そのままルイズは、斃れ伏した才人の横顔をぐしゃりと踏みつける。
「なにしてんの。あんた」
体も、声も震えている。
「待て、その、違う。
ルイズ、違うんだ。あれは「人のベッドの上で、なにしてたの」」
語尾を問答無用で喰うルイズ。
「話せば長くなるんだけど、料理を持ってきてくれたシエスタが「言い訳はいいのよ」」
どうやらルイズは、"犬"の言い分を聞く耳は持ち合わせていないらしい。
「とにかく、使い魔のクセに、ご主人様のベッドの上で、あんなことをしてたってのが、わたしはどうにも赦せないわ」
踏みつけられた才人の顔に、何かがぽたりと落ちてきた。
「だから、違うんだってば。あれは「今度という今度は、アタマにきたわ」」
やはり途中で喰われる言い分。
そして、震えに震えた声。
才人が視線だけで湿り気の落ちてきた方を見やると、その水源はルイズの双眸だった。
何で泣いてるんだ、と才人は慌てた。
「いや、俺の話を聞けって。誤解なんだっつの「もういい」いや、よくねえって!」
誤解で泣かれるとかなり寝覚めが悪い。
すっと足が顔から外される。
ば、と立ち上がった才人の目に映ったのは、涙をこぼしながらも強く睨みつけてくるルイズの目だった。
「出てって」
いや、ちょっと待て。それは困る。
というかそもそも、なんでこいつはこんなに怒ってるんだ?
俺が誰とどう付き合っても、俺の勝手って言われた記憶があるぞ?
いや、シエスタとそういう関係だってワケでもないんだが。
とりあえずは誤解を解くか。
「あのな。さっきのは脱ぐのを止めた不可抗「いいから、出てって! あんたなんかクビよ!」」
ダメだ、聞く耳もってねえ。
って、今なんつった?
「クビ?」
「そうよ! クビよクビ!
あんたなんか、あんたなんかその辺で野垂れて死んじゃえばいいのよ!」
……おいこら。
人を異世界に連れ込んでおいて、かつただの誤解でその言い草は酷くねえ?
「だから誤解だっつ「貴族の部屋を、なんだと思
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