第十四話 安らぎの時間と憧れ
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ゃんなら、ヴァンのことをどうにかしてあげられたのかしら……」
モデルZ達を作った“お姉ちゃん”なら、きっとヴァンをどうにか出来たのではないかと思えてしまう。
「プレリー、俺の記憶データにはそいつのことはないが…恐らくそいつはお前に出来ることをしろ…と言うかもしれん……何となく、だがな…記憶はなくとも、オリジナルから受け継いだ何かがそいつのことを覚えているのかもしれん…」
「モデルZ………ありがとう」
モデルZに礼を言うと、プレリーも部屋を出た。
一方、暇潰しも兼ねて倉庫に来ていたヴァンだったが…。
「……………」
“破か………我は…”
“全…を…ゼロ…す…ために…”
モデルXが抑えてくれているはずのモデルOの声が頭に響く。
流石に頭痛があったり、意識を失うほどではないが…。
「あまり良くない…か?」
「そうだね、あまり良い傾向じゃなさそうだ。肉体的にはまだ大丈夫なのかもしれないけど、精神的に弱ってきているのかもしれない。少し仮眠を取ったらどうかな?それとも何か食べるか…それだけでも大分違うと思うよ」
「………」
“でも、少しくらいは休んでくれないかしら?次にイレギュラーが現れたら地上部隊のみんなに頼むから…”
脳裏にプレリーの言葉が過ぎったヴァンは倉庫のコンテナに背中を預けながら座った。
「少し寝る…イレギュラーが出たら起こしてくれないかモデルX」
「分かったよヴァン。良い夢を」
少しして、ヴァンは眠りについた。
モデルXはモデルOの介入を抑えていたが、通路から聞こえた声に気付いて、倉庫を出た。
「君」
「あ、モデルX!どうしたの?」
オモチャを片手に遊んでいたサルディーヌにモデルXは注意する。
「今、ヴァンは寝ているんだ…少し静かにしてもらえるかな?」
「え?」
そっと、サルディーヌが倉庫の中を見つめるとコンテナに背中を預けながら座って寝ているヴァンの姿があった。
「ホントだ…ぐっすり寝てる…起こしちゃ駄目?」
「寝たばかりだからね…最近イレギュラーの相手ばかりしているからたまには休ませてあげないと」
「一緒におやつ食べる約束してくれたのになー…そうだ!」
「…?」
走り出していくサルディーヌにモデルXは不思議そうに去っていく背中を見つめていた。
「ヴァン…どこに行ったのかしら…?」
ベース内のヴァンの部屋にはいなかったので探していたプレリーだが、向こうから現れたサルディーヌの抱えている物に目を見開いた。
「どうしたのサルディーヌ?その毛布とお菓子?」
サルディーヌが抱えているのは毛布と、一人で食べるには多い量のお菓子であった。
「あ、プレリーお姉ち
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