後編
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
銃型の召喚器を手にする。
その時、シャドウを中心に奇妙な波動が広がった。
(なんだ?)
次の瞬間、リーダーの男が手に持った片手剣でいきなりアイギスさんに切りつけた。咄嗟に受け止めるアイギスさん。一方、荒垣がいきなり真田に頭突きを食らわせた。突然に始まった同士討ち。
みんな「混乱」している。これはシャドウの精神攻撃か。
このままじゃヤバイ! 下手をすれば全滅だ。俺も黙って見ているわけにはいかなくなった。
俺は短剣を咥え、シャドウに向けて走った。
一か八か飛びかかるが、やはり慣れない態勢ではうまく相手に切りつけることができず、逆に叩き伏せられてしまった。
殴り合う真田と荒垣。アイギスは混乱していないようだが、リーダーからの攻撃をかわすのに手いっぱいだ。完全に手詰まりだ。
なんとか起き上がったものの、シャドウが全て俺に向かってくる。
『ちくしょう。ペルソナー!』
切羽詰まった俺の叫び声は遠吠えとなった。そして・・・
その声に応えるかのように、俺の体からペルソナが浮き上がる。
俺が犬になったとしても、ペルソナの姿は変わらなかった。ペルソナは心の力。体が犬でも心が俺なら、俺のペルソナはジライヤだ。
疾風攻撃がシャドウに襲い掛かり、衝撃で後退するシャドウ。
『行っけぇ、ジライヤ!』
連続でペルソナを呼び出して、さらに疾風攻撃で追撃する。
「セイリュウ!」
声がして振り向くと、リーダーの男が正気に返ったらしく、ペルソナを呼び出していた。
「パラディオン!」
さらにアイギスさんがペルソナを呼び出す。
『ロボットがペルソナ?』
俺は声を上げた。しかし驚くことが多すぎてさすがにマヒしてきた。いちいち驚いていてはきりがない。ともかく今はこいつらを倒すことが先決だ。
ここからが反撃だ!
俺たちの連携攻撃で、シャドウが次々消滅する。
やがて、荒垣と真田も正気に戻って参戦してきた。
敵は残り一体。
俺が再度ペルソナを呼び出そうとしたとき、シャドウから得体のしれない波紋が広がり、突然に目の前がぐるぐる回り出した。
あっ、これ精神攻撃だ。やばい。
俺は必死に意識をつなぎ留め、敵に飛びかかろうとして・・・そして
「しっかりしろ。」
という怒声とともに、激しく頬を張られた。
「いへえ!」
はっとして目を見開くと、目の前に相棒がいた。周りには見慣れた八十稲葉の仲間たちがいる。
「はえ? はいほぉう・・・。」
俺は気の抜けた声を洩らし、そこで短刀を口にくわえていることに気づいて、慌てて吐き出した。
両手をみる。人間の手だ。俺は自分の体を見回し、顔をなでまわした。
「やった、人間に戻ってる。やったぜ!。」
喜びのあまり、俺は歓声をあげる。
(やっと自分の体に戻ることができた・・・いや、それとも犬になっていたってのは夢だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ