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レーヴァティン
第百五十一話 自信を砕きその六

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「こちらもな」
「それでは」
「市民の安全と財産はな」
「保証して頂けますか」
「ただ。こちらでその分の金は払うからな」
 久志は使者に自分達の政の話もした。
「奴隷はな」
「解放ですか」
「それはしてもらうな」
「お金は払ってくれますか」
「奴隷の分のな」
「それ以外は」
「一切な」
 それこそというのだ。
「いいさ」
「それでは」
 こうしてだった、降伏文書のサインとその式が終わって正式にビザンチウムは帝国領となった。それで久志は仲間達と共にビザンチウムに入城した。
 そしてその官邸から彼は言った。
「さて、これでな」
「一つの目的が達成されましたね」 
 夕子が微笑んで応えた。
「ビザンチウムが帝国領になりました」
「そうだな、じゃあな」
「これからですね」
「アテネにテーベ、スパルタをな」
「攻めていきますね」
「その前にロードスを攻めるけれどな」
 この島をというのだ。
「都市国家の中でまだ従わない連中をな」
「攻めますね」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「手に入れていくな」
「そうしますね」
「ああ、後な」
「後、とは」
「ビザンチウムを掌握してこの辺りにかなり睨みが利く様になったな」
 それでというのだ。
「だからこの三つの都市国家も含めてな」
「そしてですか」
「他の都市国家やドナウ川南岸の諸勢力にもな」
 その彼等にというのだ。
「利くな」
「では」
「アテネとかは戦い続けるにしてもな」
「それでもですね」
「まだ旗色決めてない他の勢力はな」
 アテネ等強硬な勢力以外はというのだ。
「もうな」
「ビザンチウムを手に入れたことを聞いて」
「考え変えたりするだろ、だからな」
 それでというのだ。
「そうした勢力にも使者を送って」
「そのうえで」
「次はロードスだな」
 この島だというのだ。
「キプロスとかマルタは降ったしな」
「そしてテュロスも」
「ならな」
「次はですね」
「キプロスだな」
「あの島に水軍とですね」
「陸軍も送ってな」
「そうして攻めますか」
「あそこは島自体が要塞か」
「そうだ、テュロスもそうだったが」
 それでもとだ、芳直が言ってきた。
「あの島は幸いにしてだ」
「こちらに一戦交えずに降ったからな」
「多くの水軍と共にな」
「だからよかったけれどな」
「あの島は違う」
 そのロードス島はというのだ。
「騎士団は徹底抗戦を考えている」
「やれやれだな、じゃあな」
「それならだな」
「戦うしかないからな」
 徹底抗戦を決意している相手とはとだ、久志は言った。だが苦い顔でありその顔でこう言うのだった。
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