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レーヴァティン
第百五十一話 自信を砕きその一

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                第百五十一話  自信を砕き
 久志は夕暮れの中で仲間達に言った、その夕暮れの中でビザンチウムは白い建物達が赤く染まっている。
 その街並を見てだった、久志は言った。
「奇麗な街だな、昼も思ったけれどな」
「夕暮れの時もでござるな」
「ああ、昼とはまた違ったな」
 こう進太に応えた。
「そうしたな」
「美しさがあるでござるか」
「思ったな、いい街だな」 
 こうも言った。
「景観の意味でも」
「ただ繁栄しているだけでなく」
「ああ、宝石いや」
 久志は自分の言葉を言い換えて話した。
「絵か」
「そちらでござるか」
「そうした感じだな」
 これが久志のビザンチウムへの今の感想だった、その景観について。
「ここは」
「拙者はそのままでござる」
「そのままっていうと?」
「街とでござる」
 その様にというのだ。
「思ったでござる」
「街か」
「ビザンチウムは街してでござる」
「奇麗か」
「そう思うでござる」
「絵じゃなくてか」
「街も芸術とでござる」
 その様にというのだ。
「拙者は思うでござる」
「そういえばヴェネツィアなんかな」
 久志はこの世界のこの街のことをここで思い出した。
「確かにな」
「芸術でござるな」
「ああ、言われてみるとな」
 実際にというのだ。
「そうした風だな」
「左様でござるな」
「ああ、街はな」
 久志は進太のその言葉に同意して頷いた。
「それ自体がな」
「芸術でござるな」
「本当にな、だからな」
 それでというのだ。
「俺は芸術は理解出来ないものでもな」
「芸術ならばでござるな」
「壊す趣味はないからな」
 それでというのだ。
「だからな」
「ビザンチウムは」
「出来るだけな」
「壊さずにでござるな」
「手に入れたいな」
「人命、産業から見てだけでなく」
「その意味からもな」
 芸術面から見てもというのだ。
「そうしたいな」
「左様でござるな」
「ああ、まあ芸術ていっても色々でな」 
 それでというのだ。
「表現の不自由だか自由だか知らないけれどな」
「只の悪質な誹謗中傷はでござるな」
「ガラクタ並べてな」
「それはないでござるな」
「あるからな」
 中にはというのだ。
「本当に」
「芸術とは名ばかりで」
「悪質な政治プロパガンダでな」
「奇怪な銅像を出してでござるな」
「平和を何とかのな」
「ましてや天皇陛下のお写真を燃やしたり」
「ああいうのは芸術かっていうとな」 
 久志は話しているうちに腹が立ってきた、そしてこう言うのだった。
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