アイングラッド編
紅き剣閃編
Triumphant Return―凱旋
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最初は感情の起伏が少ないやつだと思っていた。
だが、あいつもこの世界で生きていく内に何かが変わったのだろう。
今ではすっかり年相応の明るさを持っている。
俺はアスナと一本の柱の陰に寄ると、その華奢な体にそっと腕をまわした。緊張はいくらかほぐれたとはいえ、消えた訳ではない。
「……大丈夫だよ」
アスナが耳元で囁いた。
「キリト君は、わたしが守る」
「……いや、そうじゃなくて……」
「ふふ」
小さく笑みを洩らして、アスナは言葉を続けた。
「……だから、キリト君はわたしを守ってね。……それで、私たちもレイ君を守ろ」
「ああ……」
辺りを見回すと、プレイヤー達は各々武器を取りだし、臨戦態勢になっている。
レイもさっきまでの笑みを完全に消し、静かに開戦を待っているようだ。
ヒースクリフが全員を見渡し、やがて右手を掲げ、叫んだ。
「――戦闘、開始!」
全員がヒースクリフに続いて部屋に突入していった。
この時はまだ、俺……俺達は誰も予想してなかった。こんなにも残酷で、理不尽に希望が潰えるのを……。
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