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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第670話】
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配してるのかシャルの足元でくるくると周りを回る。
 それに釣られてにゃん次郎も美春の肩から降りると同じようにぐるぐる周り始めた。

「あ……うん。もう国境を越えたらフランスなんだなぁって……ね」

 その場で屈むと、シャルは二匹の頭を優しく撫でた。

「そっか、シャルは生まれがフランスだったね! 故郷って、美春にはよく分からないから」
「うん。フランスが僕の故郷だよ。といっても随分田舎の方だから見たらびっくりしちゃうかもね」
「そうなんだ! 見てみたいなぁ♪」

 美春の無邪気さに、少し心が軽くなったシャルはいぬきちとにゃん次郎を優しく抱き締めた。

『ーーと言うわけで、私はロシアからのルートで行くから、作戦には間に合うとは思うけど一応織斑先生にそう伝えてくれるかしら、簪ちゃん?』
「分かった……。んと、お姉ちゃん……問題起こさなかったよ、ね?」
『んん? 問題は私自身起こしてはないけど、やっぱり領空侵犯が少しね、ロシア政府が正式に学園に抗議するって話が出てるのよねぇ』

 携帯端末でやり取りをしてるのは簪だった、相手は自身の姉である更式楯無である。

『まあそっちの方は私が何とかするから。作戦の最終フェーズには間に合うように機体も整備しなきゃだしね』
「分かった……お姉ちゃん、無理はしないでね?」
『あら? 大丈夫よ、お姉ちゃんにお任せってね♪』

 姉の言葉に僅かに笑みを溢す簪、やり取りを終えるとずれたメガネを直して皆と合流した。

 場所は変わってイギリス、首都ロンドンから離れた山奥、その景観には似つかわしくない巨大な構造物があった。
 今回の作戦で使われるかもしれない対空砲『アフタヌーン・ブルー』。
 周囲には急ピッチで重力アンカーが建造されていて、IS用の整備施設も増設されている。
 セカンドフェーズへ向けての準備が行われていた。

「セカンドフェーズは明日の午後からか、機体は私のレゾナンス一機にラファールが五機、メイルシュトロームが三機と凍結された試作機が一機……か」

 ずらりと並ぶ量産タイプのISの中に一機だけ、白と金を基調とした機体が存在した。
 ブルー・ティアーズとは別のプラン、円卓の騎士をモチーフにした機体である試作1号機、【アーサー】である。
 専用武装は引き払われ、基本的なブレードと盾のみという機体だった。

「……流石にこの機体は使うことは出来ないな。調整もそうだが、武装が剣しかない。盾にグレネードを担架したとしてもエクスカリバーに対して接近しなければ意味がない」

 マチルダはそう呟く……だがこれも貴重な戦力としてカウントされたのだろう。

「整備班! 各機体の調整を急げ! 試作機もパススロットに入れられる武装をインストールするのだ! 私はレゾナンス
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