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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第670話】
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 少しうっとりとした表情で一人ごちるクラリッサーーだが現実は残酷だった。

『各機、俺に続いて着陸後ISを解除。殿はさっきも言ったけどラウラ、頼むよ』
『分かった』

 チャネル通信でそう言うと、ガイドビーコンに従い着陸態勢に移行する。

「織斑先生、着陸します。揺れは大丈夫だと思いますが念のためしがみついててください」
「ああ、私なら大丈夫だ」

 そう言うがやはり念のためだろうか首に回した手に力がこもった気がした。
 そのまま全機着陸するのだが当のクラリッサは目が点になっていた。
 尊敬する織斑教官がまさかお姫様抱っこされて降りてくるとは思わなかったからだ、それもラウラの【嫁】であるヒルトに抱かれてである。

「クラリッサ、出迎えご苦労」

 ラウラの言葉にハッとするクラリッサは恐る恐る指差して。

「たいちょう……? あの、あれは、いったい……」

 目の前の光景が信じられないといったクラリッサ、ラウラが応えようとしたその時だった。

「わははは、あれが俺の自慢の息子のヒルトだぜ、クラリッサ?」
「!?」

 ドキッとしたーー随分長い間聞かなかった、だけど心地好い男性の声。

「え、えぇっ!? あ、有坂教官!?」
「嘘!? わあっ、教官だぁっ!!」
「教官、お久しぶりです! 私達を覚えてますか!?」
「き、教官〜〜、ずびびっ」

 黒ウサギ隊全員が彼に近づくーー有坂ハルトに。
 ハルトは何時もの様にニカッと笑顔を見せてーー。

「わははは、勿論覚えてるさ! ネーナにファルケ、マチルダにイヨだろ!」

 昔と変わらないその笑顔とわしゃわしゃと頭を撫でる大きな手に、四人は懐かしさと久しぶりに会えた思いからか様々な表情を浮かべていた。
 クラリッサもその手で撫でてもらいたかったがぐっと堪えて、隊長であるラウラに振り返り、再度確認した。

「た、隊長、宜しいのですか……? 教官は私達の教官ですが、彼はラウラ隊長のーー」
「む……あまり宜しくはないのだが……だが、私とヒルトの間には確かな繋がりがある。故に無闇に焼きもちなど妬かないのだ」

 腕組みして少し誇らしげなラウラに、まだ理解が追い付いていないクラリッサは小さく首を傾げた。
 一方でヒルトはというとーー。

「やっぱり基地だからか殺風景だな、滑走路に倉庫、灰色の建物ばかりだ」
「まあ軍事基地はこんな感じの所が多いからな。君としてはもっと色鮮やかな方が好みなのかぃ?」

 エメラルドグリーンの髪が風に靡くエレンが顔を覗き込む様に見てきた。
 ヒルトの目に映る彼女は年相応の少女にしか見えない、時折視界に入るいぬきちやにゃん次郎も気にしながらも織斑千冬の行方を見守っていた。
 既に織斑千冬を下ろし、当の本
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