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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第29話:三つ巴の争奪戦・その1
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颯人が取り零さざるを得なかったメイジによる魔法の矢による攻撃を、奏はアームドギアを振るい叩き落す。
幸いな事に颯人との訓練により上空を動き回られながら攻撃される事にはある程度慣れていたので対処出来ているが、この状況が続くとしんどいものがある。
一方の颯人。
こちらは銃撃できる分奏に比べれば対処出来ており、事実何人かのメイジにはダメージを与えられているがそれでも地上を走る彼と空を自在に飛び回るメイジでは機動力に歴然とした差があった。
一瞬ハリケーンスタイルになって自分も空を飛ぼうかと考える颯人だったが、肝心のスタイルチェンジをする余裕がない。
こちらの手の内を知っている連中は、彼に指輪の交換をさせる時間を与えなかったのだ。
地上の苦戦は、当然上空の弦十郎にも知るところとなる。
「くぅっ!? 敵の魔法使いの戦力がこれ程のものとは――――!?」
先日の一件から、ノイズの襲撃は警戒していたし 颯人からの警告で魔法使いの襲撃があるかもしれないと言う予測も立てていた。
しかし二課にとっては初の対魔法使い戦。ノイズとは勝手が違う。
何よりも厄介なのは、連中はノイズと違って自分で考えて行動する事だ。各々で最適な行動を選択できる上に統率も取れている為、少人数で最大の力を発揮してくる。
敵の人数は僅か10名ほど、にも拘らず護衛の殆どはあっと言う間に殲滅されてしまった。
颯人の変身するウィザードと奏の活躍で何とか了子の乗る車だけは守られているが、あの数に攻められてはどれほど持つことか…………。
さらに懸念として、現時点で確認できているのが雑魚メイジである琥珀色の仮面の奴ばかりと言う事があった。
颯人によると、琥珀のメイジは必ず指揮官である幹部候補か幹部に率いられているとのこと。
つまりこの戦場には、まだ姿を現していない幹部候補か幹部が居ると言う事である。
そんなのにまで出てこられたら、あの場で唯一戦う力を持たない了子の生命すら危ぶまれる。
そう考えた弦十郎は一か八かの策に出る事にした。
「了子君、今から回避ルートを送るからナビを確認してくれ!」
『了解!…………ッ! 弦十郎君、このルートはちょっとヤバいんじゃない?』
弦十郎が指示した回避ルート、そこにあったのはこの先に存在する薬品工場だった。言うまでもなく可燃性の高い薬品があるそこでドンパチしたりしたら、最悪全員纏めて木っ端みじんになりかねない。
『この先にある工場で爆発でも起きたら、デュランダルは――――』
「分かっている! だからこそだ。敵の魔法使い達は奏の妨害があるとはいえ、他の護衛車両と護送車に対する攻め手が明らかに違う。恐らく敵もデュランダルは無傷で手に入れたいのだろう。ならばこ
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