大きな罪
被害者
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「少し前に帰らせた。部長が倒れたら、部活はできないし。」
そう言って拓真は肩をすくめた。
「二人の荷物を持ってきた。」
「ありがと、結城。」
私と宏は荷物を受け取って、四人一緒に帰った。駐輪場に行き、自転車を出した。結城以外の二人も同じくだった。
「今日もいくか。」
「行きたいな。」
「大丈夫なのか、玲。」
「平気だよ。」
私は笑った。あまり迷惑をかけられないから。
「そうか。」
私と拓真が自転車を押しながら歩き、結城と宏が後に歩いていた。学校の帰りはいつもと言っていいほど、結城の家の前に集まるのだ。そして他愛もない話を、そこでしているのだ。
「玲。この後、少し空いてるか。」
「空いてるけど、どうして。」
「話しがある。」
「わかった。」
話って何だろう。気になるけど、今はよそう。
空が蜜の色に染まりはじめた頃、私と宏は喫茶店にいた。
「話って何。」
宏は黙り込んでいる。私はただその様子を見ていた。しばらくしてから、宏の口が開いた。
「僕は。」
そこで言葉を一旦止めて、一呼吸置いてから宏は再び、言葉を紡いだ。
「君のことが好きだ。」
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