大きな罪
被害者
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はくれないようだ。つまり、自力で解けということだ。間違えてしまえば、もう接触することが出来なくなってしまう。絶対に間違えてはいけない。
「この七体の対になる動物か。一体、どういう繋がりなんだろう。」
七体は全て、哺乳類に分類されるだろう。ならば、哺乳類の反対の動物か。しかし、それはどんな動物なんだろう。
「うーん。」
私は早速、頭を抱えてしまった。ここまで難題なのは、いつ以来だろう。
「大丈夫、玲。」
「だめかも。こんなに大変なのは、久しぶりだから。」
さすがに今回は、私一人の力では無理だと思った。誰かの手を借りたい。
「こんな僕でよければ、手伝うよ。」
宏の言葉を聞いて、私は顔を上げた。私を見る彼の目は、とても真っ直ぐだった。自然と私は首を縦に振っていた。
「お願いできる、宏。」
「どこまで出来るか分からないけど、やれるだけやってみるよ。」
互いに頷いて、私は説明をした。
「ということなんだよね。」
「難しいな。どういう意味だろうか。」
宏も頭を抱えていた。しばらくしてから、彼が口を開いた。
「それぞれの反対の動物を探したら、どうかな。例えば、ライオンならシマウマとか。」
そういう発想か、なるほど。犬は猫か。
「狼や熊はどうなるの。」
「狼は兎じゃないかな。熊は蛇とか。」
「何で。」
宏は黙り込んでしまった。やはり、難しいな。だけど一つの鍵を、見つけた気がする。
「まあいいや。ありがとう、宏。」
「ごめん。」
「なんで、謝るの。」
「役に立たなかったみたいだから。」
「そんなことないよ。」
私は宏に笑ってみせた。宏のせいではないのだから。
「とりあえず息抜きしようよ。宏。」
「そうしようか。」
宏がソファーに座り、私はその隣に座った。気を抜いたらそのまま寝てしまいそうなほど、私は疲れていた。
「お疲れ様。寝ても大丈夫だよ、玲。」
私の心を呼んだかのような言葉が、宏の口から出てきた。
「ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて。」
宏の肩に頭を乗せ、目を閉じた。大きな温かい手が頭を撫で、私は夢の中に落ちていった。
「おやすみ、玲。」
夢に落ちていく私が、聞いた言葉だった。そしてそのまま、眠りの海に沈んでいった。
どれくらいの時間経ったのだろう。目を覚ますと、私は宏のひざの上にいた。慌てて起き上がろうとすると、ソファーから落ちてしまった。
「いたた。」
派手に転んでしまい、背中を打ってしまった。
「大丈夫、玲。」
差し伸ばされた手を握り、立ち上がった。
「ありがとう。」
パソコンの前の椅子に座り、再び問題と向き合った。姿無き犯罪者からの謎を解かなければ。
「そういえば、サイトの方はどうかなっているかな。」
気になり、自分のサイトを開いた。
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