大きな罪
依頼
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「そっか。」
わかりきっていた答えなのに、次の言葉が見つからない。
「よかったら、夕食を食べていかない。」
「いいの。」
「うん。食材を買いに行かないとだけど。」
「一緒に行くよ。」
「ありがとう。」
僕達は近くのスーパーに食材を買いに行った。買い物を済ませて、玲の家に帰る途中で図書館に寄った。
「すぐに帰ってくるから。」
「わかった。」
そして玲は、図書館の中に消えて行った。大人びて見える彼女でも、中身はごく普通の少女だ。宏は改めてそう感じていた。
十分程経った頃、玲が本を抱えて戻ってきた。
「おまたせ。行こうか。」
「そうだね。それは。」
僕は彼女の抱えていた、三冊の本を指差しながら聞いた。
「これは、七つの大罪に関する本なの。」
本をバックの中に入れながら、彼女はそう答えた。
「でも、必要なの。」
「なんとなく、これから必要になると思う。だから、覚えておきたくて。」
他愛もない会話をしながら、マンションまであと五分という所で問題が起きた。雲一つ無かった空が一変して、土砂降りの雨になってしまった。僕は玲の手を引いて、マンションまで走った。マンションにつく頃には、二人ともずぶ濡れになっていた。
「大雨になったね。大丈夫、宏。」
「なんとか。」
「そのままだと風邪引くから、シャワー浴びてきな。」
「でも、服が。」
「いいから。」
背中を押されて、脱衣所に入れられた。
「また後でね。」
扉を閉めると中から、宏の声が聞こえてきた。さて、私はこれからどうしようか。
「とりあえず、ブレザーを脱ごう。」
玲はブレザーを脱いでハンバーにかけてから、宏のために着替えを探し始めた。
「えっと。これとこれと。あと、これも。とりあえず、こんな感じかな。」
玲は着替えを持って、脱衣所に入った。それを置いて、宏の制服を持って出た。
「今、玲が入ってきたような。」
宏は浴室の中で、そう呟いた。
「そろそろ出よう。」
シャワーを止めて浴室を出た宏は、制服がないことに気づき、その代わりにシャツとズボンなどと玲からのメモが置いてあった。
「使ってください。」
ふと笑って、ドアを見た。向こう側には、玲がいる。
「玲らしいな。」
僕は玲が持ってきてくれた服に着替え、彼女が待っているリビングに戻った。
「夕食が出来たから、食べようか。」
「そうだな。」
玲が作った食事をテーブルに並べ、向かい合う形で座って食べた。
夕食の片づけをしてから宏はソファーに座り、玲はシャワーを浴びに行った、座って待っているうちに、ウトウトしていた。
「待たせてごめん。あれ、宏。」
底には、ソファーでぐっすりと眠っている宏がいた。玲は寝ている宏に毛布をかけた。
「さてと私は、借りてきた本を読もう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ