第十話 イレギュラーの撃退
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「これから先、あのフォルスロイドよりも強い敵と戦うことがあるかもしれん。奴を一人で倒せるくらいにはならないと生き残れないだろう」
モデルZの言葉にエールは思わず黙ってしまう。
これから先の戦いはより激しくなっていくのは間違いない。
ならば少しでも強くなるための機会は逃すわけにはいかない。
ヴァンやエールのためにもだ。
「(速く…もっと速く!!)」
フィストレオの猛攻を凌ぎながら、少しずつ少しずつ反応速度が上がっていくヴァン。
そしてその変化を感じ取ったフィストレオは笑みを浮かべる。
「(儂の攻撃を凌ぎながら坊主は確実に成長している。セルパンに従ったのは間違ってはいなかった!)」
強さを求めて己を鍛え続けてきたフィストレオ。
ライブメタルの力を得てからはますますその強さは洗練され、自分とまともに戦える者など限られていた。
だから今この瞬間にも成長し、自分を追い越そうとしている強敵に歓喜を覚えた。
「光芒一閃!!」
「っ!!」
腕から何度も衝撃波を放つフィストレオ。
ヴァンはそれを何とかかわして、最後の一撃はジャンプでかわしたが、フィストレオはそれを狙っていた。
「甘いな坊主!空中では避けられまい!これで終わらせてもらう!!霊央拳奥義!阿鼻叫喚!!」
フィストレオが全身に炎を纏って突進してくる。
しかも複数の火炎弾を伴ってだ。
空中での移動の術を持たないヴァンでは直撃を受けるが、フィストレオはヴァンの成長速度を見誤っていた。
フットパーツのダッシュバーニアの推進力を使って空中でジャンプして、フィストレオの突進をかわしたのだ。
「空中で跳躍しただと!?」
「動かなきゃ負けるってんなら…空中で動くまでだ!これで終わりだフィストレオ!」
チャージセイバーでは間に合わないために、Ωの文字が刻まれた掌を突き出してフィストレオの胸を貫いた。
「ぐあ…!?この儂がこんな坊主に…これが破壊神の器とやらの力か…!フ、フフフフ…だが、悪くは、ない…な…フハハハハッ!!」
満足そうに大笑しながらフィストレオは爆散し、フィストレオの残骸から炎属性のライブメタル・モデルFが姿を現した。
「あれがモデルFか?」
「そうだよ、頼りになるライブメタルだよ」
ヴァンの問いにモデルXが答えると、モデルFは他のライブメタルとは違って気さくな態度で話しかけてきた。
「へへっ!ありがとよ!助かったぜ!俺様は炎のライブメタル・モデルF!さあ、次行こうぜ!今度は誰をぶっ飛ばしに行くんだ?」
「モデルF…」
「変わらんな…」
モデルFの態度にモデルHが不機嫌な声を出し、モデルZはどこか呆れたような雰囲気を出してい
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