第9話 イタリカ戦 前半戦
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「なるほど…我々、ショッカーが倒した連合諸王国軍の残党が盗賊になってここ、イタリカを攻撃してきてると」
千堂らは会議室で現在のイタリカの最悪な状況についてピニャとフォルマル伯爵家から説明を受ける。
「では、お前達は妾に力を貸すというのだな?」
「ええ、こんな状況では龍の鱗を売るどころではないですしね」
千堂はソファにドッカリと座ってテーブルの上に置かれた紅茶を優雅に飲みながら答える。
「で?敵の数はどれくらいですか?」
「千人といったところだ」
千堂達の小隊は10人、イタリカの市民兵は2000人。どう考えても攻撃箇所を決められる分、敵の方が有利だ。
千堂は少し考えて後ろに控えていた加頭に指示する。
「加頭、基地に応援を要請しろ。こちら側の人数が足りないからとな!」
「了解しました!」
「援軍か?今から呼んでも間に合わないであろう?」
ピニャは不思議に思う。今から伝令を送って基地に伝えても数日はかかる。援軍となると到着にどれくらいかかるかも分からない。
「大丈夫ですよ。ここなら色々手間取ったとしても夜明けまでには到着するでしょう」
超短時間に驚くピニャを無視して千堂は紅茶に口をつけ、お茶菓子を美味しく頂いた。
加頭はオ・ンドゥルゴ基地のゾル大佐に応援を呼ぶように通信していた。
「事情は分かった。今からそっちに精鋭部隊を送る」
「精鋭部隊……ですか?」
「そうだ。今日、異世界入りした精鋭部隊がいるんだ。異世界での戦闘データ収集の為に実戦投入させるぞ」
「了解しました。ありがとうございます」
加頭は基地との通信を切った。
「ねぇ、センドウ」
「何だ?」
千堂は戦闘準備を終え、万が一に備えて城壁で防御陣地を構築しようとしている時にロウリィに話しかけられた。
「どうして敵のはずの帝国の姫様を助けるのぉ?あのコ、イケすかないわぁ」
「……街の人を守るためさ」
「本気で言ってるのぉ?」
「本気だ」
ロウリィは呆れたような素振りを見せた。
「その帽子貸して」
「お、おう」
ロウリィは千堂の軍帽を受け取ると祈りを込めた。その様子を見て千堂が尋ねる。
「理由が気になるか?」
「エムロイは戦いの神、人を殺すことを否定しないわぁ。ただ…それだけに動機は重要なの。偽りや欺きは魂を汚すことになるのよぉ」
「ここの住民を守りたいんだ」
「それだけぇ?」
千堂は観念したようにため息をついてもう1つの理由を話し始めた。
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