第七話 真紅のロックマン
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ガーディアンベースに帰還したエールは直後にプレリーから休息を言い渡され、そしてヴァンはガーディアンベースの医務室行きとなった。
「どう?彼の様子は?」
プレリーがモデルXを伴って医務室に行くと、遠い記憶を刺激する真紅のアーマーと金髪が目に入り、一瞬目頭が熱くなったが司令官の顔でヴァンの容態を尋ねる。
ライブメタルの研究者でもあるフルーブと看護師であるミュゲとローズに尋ねる。
「ダメージは既に回復していますよ。ライブメタル達から話は聞いていましたが、完全に一体化しているだけあって回復力は高いようです。」
運ばれてきた時はボロボロだったと言うのに僅か一日で傷一つない状態に戻っている。
「体の傷よりも、肉体と精神的な疲労が原因かもしれません…恐らく、行方不明になられてから食事も満足に摂っていなかったのでしょう」
「ずっとアウターにいたからまともな物なんて食べられなかっただろうね。まだ育ち盛りの男なのにこんなに痩せてんだから」
ローズとミュゲがエールと同い年の少年の痩せ細った体を見て心配そうに呟く。
「そう…それでフルーブ、彼に取り憑いているライブメタルについて何か分かった?」
「いえ、現段階ではあまり大したことは分かりませんでしたが、ヴァンさんの脳波に異常が見られます。恐らくは取り憑いているライブメタルの影響でしょう」
「そう……ならモデルX、彼について何か分かりそう?」
ヴァンはモデルXの適合者でもあるらしいので、モデルXならヴァンの状態が分かるのではと思い、ヴァンに同調を試みているモデルXに尋ねる。
「………モデルOを突き動かしているのは狂気的なまでの好戦欲と破壊衝動…エリアEでヴァンが言っていたことと、戦っている時にはモデルOの狂気が働かないところを考えると、恐らくヴァンが戦っている時だけはモデルOの狂気から解放されるんだと思う。」
「あの…まさか、ヴァンさんが起きた時…私達に襲ったりは…」
ローズは恐る恐るモデルXに尋ねる。
今の戦闘員もエールもいない状態でヴァンが暴走したらひとたまりもない。
「その可能性はあるかもしれない。だからヴァンはエール達の元に帰らなかったんだ…行方不明になってからずっと」
「そう…」
モデルXの言葉に、悲しそうにヴァンを見つめるプレリー。
エールからヴァンの話を聞いたこともあり、彼女の幼なじみがこんな理不尽に遭っていることに同情は隠せない。
「う…」
身動ぎするヴァンに全員の体が強張るものの、ヴァンの目がゆっくりと開かれた。
その目はイレギュラー特有の狂気はなく、今は正常な状態であることが分かる。
「ここは…」
「ここはガーディアンベース。私達、ガーディアンの本拠地よ」
状況
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