第五話 ダブルロックオン
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い…破壊の力だ…彼に悪影響を及ぼさないとも限らない」
「………」
モデルXの言葉を聞いたエールは彼を助けてあげたいと思った。
自分やジルウェを助けてくれた恩返しがしたい…だが、どうやったらいいのか分からない。
そして自分の感情で突っ走ったら、また誰かを傷つけるのではないかと思うと、エールは動けなかった。
「エール、あなた…自分の気持ちのままに進んだらまた誰かを傷つけるんじゃないかって思ってる?」
「え?」
心の内を読んだようなプレリーの言葉に俯いていた顔を上げるエール。
「確かにあなたが、あの時に飛び出さなければジルウェさんは傷つかなかったかもしれない…」
「………」
プレリーの言葉にエールの表情が曇る。
「でも、あなたがいたから私も…マクロー達も助かったの…エリアD付近の居住区の被害も最小限に抑えられたわ。悪いことばかりに目を向けてばかりでは駄目、あなたの勇気で救われた人達がいることを忘れないで」
「そうだよエール、君の勇気で救われた人が目の前にいるじゃないか…自分のしてきたことを全て否定してはいけないよ」
「………うん……」
プレリーとモデルXの言葉にエールの瞳から涙が溢れ出す。
そんなエールをプレリーは落ち着くまで背を撫でてやった。
しばらくしてエールは泣き止み、入ってきた紫髪の女性…ローズがジルウェの意識が戻ったことを報せてくれた。
「ジルウェさんの意識が戻りました…エールさんに会いたがっていましたわ。顔を見せて安心させてやって下さい」
安堵と苦笑が混じったローズの表情。
それは自分よりもエールを心配していた過保護な姿を見たためか。
「う、うん…」
エールはローズに支えられてジルウェのガーディアンベースでの部屋に通された。
「エール…」
「ジルウェ…」
扉が開いた音に気付いたジルウェはゆっくりと振り返る。
顔色は青白く、声にいつもの力がないが、確かにジルウェは生きていた。
「良かった…無事…だったか……悪かったな…エール…守るって言った癖に、俺はあいつに操られてしまっただけじゃなくて…お前に辛い思いをさせた…」
「違う…!ジルウェは何も悪くない…!あの時、ジルウェの言う通りにしていれば…アタシが強がったりしなきゃ…」
「………良いんだよ、お前の性格は十年の付き合いで良く分かってる…それに俺も無茶やったからな…」
泣くエールに優しく笑うジルウェ。
そして部屋にモデルZを持ったフルーブが入ってきた。
「ジルウェさん、モデルZのチェックは終わりました。何も問題はありません…ですが……」
言葉を濁らせるフルーブにジルウェとエールの視線が向けられる。
「ジルウェさん
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