暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第241話「戦線瓦解」
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、攻撃を当てようとする。
 それを、椿が後ろから矢と神力で阻止する。
 草の神の権能を使い、植物でも動きを妨害していた。

「葵!」

「ッ!」

 それでも、押し負けそうになる。
 そこで椿は葵に声を掛け、同時に葵が蝙蝠化して姿を消す。
 直後、神力の閃光が葵がいた場所を通り過ぎ、優輝に襲い掛かる。

「うん……?」

「はっ!」

 閃光を避けた所へ、椿が肉薄。
 掌から地面に神力を通し、植物で地面を隆起させる。
 同時に、体術で剣を持つ腕を抑えつつ蹴りを放った。

「(逸らされた!)」

 意表を突いたはずの攻撃。
 しかし、それすら優輝は受け流す。
 導王流を人一倍知っている椿達ですら、これによって圧倒されていた。

「かやちゃん!」

「ッ!」

 すぐに次の行動に出る。
 もう一度地面を隆起させ、バランスを崩す。
 そして、椿は飛び退きつつ矢を優輝の周りに放ち、目晦ましをする。
 さらには優輝を囲うように植物の根を地面から生やした。

「これで、縫い留める!!」

 最後に、葵が用意した大量のレイピアを射出。
 目晦ましでしかない植物の根を貫き、優輝へ殺到する。

「そこ!」

「っ!」

 だが、その技は決まらなかった。
 葵の攻撃は転移魔法であっさりと躱されていたのだ。
 すぐさま張り巡らした神力から優輝の位置を特定し、矢を放つ。

「ッッ……!」

「なに……?」

 そこで、戦況が動いた。
 いつもは、転移で躱された後に察知していたのは椿だけだった。
 しかし、今回は葵も察知しており、矢を弾いた所を狙い撃った。

「ぐっ……ぁああっ!!」

「ッ……!?」

 刺突は逸らされ、カウンターに剣の一撃が繰り出される。
 それを、葵は体で受け止めた。
 このままでは競り負けると理解していた葵は、敢えて体で攻撃を受けた。
 その分の猶予を利用し、葵は優輝の体を掴んだ。

「しまっ……!」

「ようやく、捕まえた!!」

 そのまま、頭突きをくらわす。
 さらに地面へ向けて押し、大地に叩きつける。

「よくやったわ、葵!」

 間髪入れずに上を取るように跳んだ椿が、矢を放って優輝の四肢を縫い付ける。
 植物の根を利用して拘束もする程だ。

「転移はさせないよ!」

 油断はしない。
 葵は掴みかかった体勢のまま、術式を優輝に刻む。
 その内容は、転移魔法を阻害するためのもの。
 魂に働きかけるようにする術式のため、魔法以外にも効果が働く。

「っ……!」

 そして、トドメに葵もレイピアで優輝を縫い付ける。
 最早剣山のような状態に優輝はなっていた。
 椿や葵にとって心苦しく
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