第8章:拓かれる可能性
第241話「戦線瓦解」
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」
聡と玲菜に向かって、葉月はそう言った。
そのまま、幽世の門がある方向へ走っていく。
「幽世の門は、姉さんが校庭に顕現させました。おそらく、妖や門の出現に他の人達は混乱しているでしょう。……事情説明は任せますが……いいですね?」
「……何が何だか、よくわからんが……」
「貴女達は優輝の知り合いなのよね?……だったら、信じるわ」
あまりに現実離れした出来事の連続に、二人はまだ理解が追いついていない。
だけど、だからこそ葉月たちを信じて、葉月の言う通りにする事にした。
「私達は各地への助力……もしくは国守山に戻って皆さんの加勢に行きます。敵の大半を殲滅しましたが、肝心の存在があそこにいるので……」
「……わかったよ。葉月ちゃんも覚悟を決めたなら、私も倣わないとね」
勝ち筋の見えない、だが負ける訳にはいかない戦いは続く。
ここで立ち止まる訳にはいかないと、誰もが決意を新たに足を進めた。
「はぁっ!!」
「ッ……そこっ!!」
閃光、極光、魔力弾、炎、氷、雷、斬撃。
ありとあらゆる攻撃が飛び交う。
司による“領域”の展開により、劣勢だった戦況はほとんど覆っていた。
「ふっ……!!!」
「効きませんよ!」
しかし、一部の戦況は未だ劣勢だ。
覆したきっかけである司も、その一人だった。
「ッ……!」
絶え間なく全てを呑み込もうとする“闇”が司を襲う。
世界そのものの“領域”を利用し、強化した天巫女の力で、それを相殺する。
だが、明らかに司の方が押されていた。
そのため、相殺するのではなく、自分が回避できる分の穴を開けるに留める。
間髪入れずに反撃の閃光を飛ばし、自らも転移を併用して斬りかかる。
「くっ……!」
そこまでやって、イリスにはすぐ回復する掠り傷しかつかなかった。
対し、司はエラトマの箱による“領域”の弱体化もあり、どんどん不利になる。
既にボロボロの状態になっており、負けるのも時間の問題だろう。
「(緋雪ちゃん……!間に合わせて……!)」
ここから司が勝つには、何かもう一つ切っ掛けが必要だ。
無闇な突貫は行う事すら難しい。
故に、“対策”を準備している緋雪が頼みの綱だった。
「ッ、ぐっ……!」
「………!」
一方で、椿と葵も未だに苦戦していた。
元より、相手は洗脳された優輝だ。
“領域”を抑え込んだ所で、優輝の強さは変わらない。
「はぁっ!!」
「っ……!!」
葵が前衛を担当し、死に物狂いで優輝の攻撃を凌ぐ。
それでも、優輝は的確に葵の隙を突き
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