第8章:拓かれる可能性
第241話「戦線瓦解」
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かかる……あたし達が妖を繰り出したのは、ただの数合わせだけじゃないさ。このためでもあったんだよ!」
「因果を用いた術……概念に通ずるモノであれば、神界の存在にも効く……姉さんやとこよさんの予想通りですね……!」
さすがに制御が難しいのか、瘴気を操る紫陽を支援するように葉月が傍にいた。
だが、葉月にも瘴気の影響はあり、顔色を悪くしていた。
「葉月……!」
「まだいけます……!とこよさんも限界を超えて戦っている……!もう、姉さんやとこよさんだけに背負わせる訳にはいかないんです……!私だって、まだ戦えます!!」
「っ……それでこそ、あたしの妹だ……!」
それでもなお、葉月は力強く立ち続ける。
いくら人一倍耐性があっても、影響は遠くで障壁を張った那美達より大きい。
それを、葉月は信念の元、耐え続けていた。
「ならば、術者を叩く……!」
「させません!」
瘴気を避け続ける神が、紫陽を狙おうとする。
だが、それを式姫が阻止する。
式姫もまた、元は幽世の存在だ。
瘴気を祓う役割を担っている事もあり、瘴気には耐性があった。
そのため、瘴気の中を突っ切って神を妨害する。
「そら、足元が留守になっているぞ?」
「っ、しまっ……!?がぁぁああああああっ!?」
一人、また一人と紫陽の瘴気で神や“天使”が倒れていく。
あれほどの劣勢を強いてきた神界の勢力が、紫陽によって覆されていた。
「……司による“領域”の塗り替え、妖やトバリを使った瘴気。……そして、限界の壁をいくつも超えた、特大規模の禁忌の術。……本来なら、あたしの命や魂を……それどころか、現世と幽世の均衡すら破棄する術なんだ。……効果がないと困るって事さね」
「姉さん……」
口の端から、とめどなく血が零れていく。
口だけではない。目や鼻からも、まるでオーバーヒートしたかのように血が溢れる。
迸る霊力で舞い上がる服や髪は、かすれていくかのようにボロボロだった。
そう。紫陽はまさに自身の“総て”を投げ打って戦っていたのだ。
「……しばらく、あたしは戦えなくなる。それでも、この町にいる連中は片付ける。……後の事は任せたよ」
「……わかりました」
「それと、幽世を経由すれば短時間で他の町にも行ける。活用しな」
そう言って、最後の力を振り絞るように紫陽は戦場を睨む。
「……これで……仕舞いだ!!」
ついに、街にいた全ての神と“天使”を捕捉する。
瘴気によって貫かれ、引き裂かれた神達は、ほとんどがそれだけで倒れた。
残った者も、すぐに式姫達によってトドメを刺される。
「……っづ……はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
全滅させた事を確認し、紫
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