また父が変な事をしている
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王様にそう言われちゃ従わざるを得ないシェフ等は渋々解散。
その殆どがこれまでの行程をメモしており、近くの人のをチラ見したら『ここで72時間放置!!』と書かれて締めくくられていた。
ここには20人ほどのシェフ等が集まったが、その半数以上は独立シェフだ。
店の経営もあるし、本心で言えば今日中に完成して欲しかったのだろうなぁ。
3日後……まさに丁度72時間が経過する時間。
3日前より多い人数が城内の調理場に集まった。
勿論その殆どがシェフで、城の内外で料理を振る舞っている。
前回とは違い見学者として目立ってるのがメイド等が数人集まってる事だ。
今日だけ来ていると言う事は、作る過程は興味なく完成した料理に興味があると言う事だろう。
そして最も完成品しか興味の無い人物が僕の隣に立っている。
その人の名はリュリュ。
僕の腹違いの妹で、現在僕の部下でもある。そして極度のファザコンだ。
さて……
大勢から期待の眼差しを向けられてる我が父は、何時もと変わらない雰囲気で料理の準備をしている。
如何やら3日前に仕込んだ食材は白米と合わせる様で、相当量の米を炊いていた。
その米が炊き上がったのを確認した父さんは、積み上がっている藁の中に手を突っ込み、藁包みの1つを取り出した。
そして蒸し大豆が詰まっている箇所を両手で広げ割る。
その瞬間……もの凄い悪臭が室内に蔓延した!
「うわ……何だこの臭いは!?」
慌てて鼻を押さえ、思わず呟く。
悪臭の元凶は勿論、父さんが持っている藁包みだ。正確には藁包みの中の蒸し大豆だ。
如何やら3日間も放置してた為、大豆が腐ってしまった様だ。
流石の父さんも失敗する事があるらしい。
父さんは悪臭の元凶の一番傍に居るのに、眉一つ歪めず腐った大豆を眺めている……
しかし徐に腐った大豆を一粒つまみ藁包みから取り出した。
腐った大豆はネバッとした糸を引き、その悪臭を拡散する。
次の瞬間、父さんは糸を引いた腐った大豆を口に入れた!?
「ちょ……と、父さん! そんな物を口にしちゃ……」
「うん。成功だ」
……は?
成功??
腐ってるのに!?
「父さん……珍しく失敗したからって強がr「今度は何作ったのー?」
父さんに今回の失敗を自覚させようと話しかけてると学校帰りのマリーが割り込んできて父さんに話しかける。タイミングが悪い。
「今回は納豆だ」
「うわっ、凄い臭い。おと……陛下、今回は失敗ですか?」
「陛下でも失敗する事があるんですね」
父さんがマリーの質問に答えてると、一緒に帰宅したリューラが『お父さん』と言おうとして慌てて『陛下』と言い直し僕の言いたい事を言ってくれた。
なお、同じく一緒に帰宅したリュ
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