銀河労働者ソヴィエト結成
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の人民が餓死し、辺境では疫病が広がっているという。
だが、神聖不可侵たる皇帝はこの国難に何も関心を示さず、国政を担っているリヒテンラーデ侯は困民救済に予算を回す余裕などないという。しかし!帝国の臣民たる我ら人民を救済しない政府に、いや皇帝に存在価値などあるだろうか!」
男は労働者たちに語り掛ける。
「そうだー!」「その通りだー!」「皇帝なんかいらねー!」「俺達に救済をー!」
「その通り!同志諸君、我々人民を救済しない皇帝に価値などありはしないのだ!人民は人民自らが動かなければ救済の道はない!何故なら帝国は、我等を都合の良い奴隷としか見てないことが、今回の大飢饉で判明したからだ!血の日曜日を思い出せ!パンを寄越せという我等の願いに対し、奴らは虐殺で応じたのだ!」
「俺の母ちゃんは彼奴らに殺されたんだ!」「奴等に報いを!」
男は続ける。
「我々は帝国の奴隷ではない!我々は帝国の臣民ではない!我々は皆、人民であり、人民の上に何者も存在しないのだ!故に、我々人民は、帝国の傲慢な貴族共と皇帝から権力を取り返さなくてはならない!」
「その通りだ!」「人民万歳!」
「同志諸君!そこで、私は今ここに、真の人民の代表者たちによる評議会、【ソヴィエト】の結成を提案する!」
「「「異議なし!!!」」」
帝国暦482年/宇宙歴791年1月29日、この会議によってオーディンの労働者代表者組織、【銀河労働者代表ソヴィエト】が結成された。そしてソヴィエトの代表である議長には、提案者である男が選出された。
その男の名はカール・ハンソンといった。そしてカール・ハンソン議長の指導の下、銀河労働者代表ソヴィエトは瞬く間に勢力を拡大していくことになる。
この出来事が後に銀河全土を揺るがすことになるとは誰も思わないだろう。たった一人を除いて……
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