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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第28話:狂宴の幕開け
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ただ、明らかに何かを警戒しているのである。その警戒っぷりと言ったら凄く、先日の仕返しをしようと言う気が失せるほどだった。

 今だって、了子が運転する車の隣を走る彼の周りにはレッドガルーダとイエロークラーケンが居て、絶えず周囲を警戒している。

 出発前のギリギリのタイミングに了子から知らされたことだが、先日クリスが脱ぎ捨てたネフシュタンは結局回収出来なかったらしい。とすれば、彼が強く警戒しているのはネフシュタンを再び纏ったクリスとメイジに変身する透だろうが、それにしては少し度が過ぎているように思える。

「颯人君ってば、やる気満々ねぇ? 奏ちゃんと響ちゃんも負けてらんないわよ?」
「…………あぁ、分かってるよ」
「はい! 頑張ります!」

 勿論奏と響だって警戒していない訳ではない。颯人・奏・響の3人はともかく、他の者はノイズに襲われては一溜まりもない。

 誰もが周囲を警戒し、緊張しながらも情報統制により一般車両や一般人の居ない公道を走る。
 了子の運転する車の前後左右にも護衛の車両があり、その車内に居る二課のスタッフも何か異常がないかつぶさに周囲を観察していた。

…………そんな彼らの姿を、あるビルの上からじっと眺めている者達が居た。

 紫の仮面をしたメイジ──メデューサと、その配下の琥珀色の仮面のメイジ達だ。

 メデューサは眼下を走る車両群を、その中で取り分け目立つ颯人のマシンウィンガーと了子の車を見やり、小さく鼻を鳴らすと部下たちに指示を出した。

「…………やれ、狙うは聖遺物だ」

 指示を受け、周囲のメイジ達が一斉にライドスクレイパーで飛び立ち車両群に向け飛んでいく。

 今正に襲い掛かろうとする魔法使い達。その存在に真っ先に気付いたのは、颯人の周囲を飛び回る使い魔達だった。

「ん?」

 突然、ある方向を見て騒ぎ始めた使い魔達に、颯人がそちらを見やると彼も迫りくるメイジを目にした。

 次の瞬間、危険なレベルで了子の車に近寄ると後部座席の窓を乱暴に叩く。

「オイッ!!」
「な、何だ、どうしたッ?」
「すぐ戦闘準備しろ、敵襲だッ!!」
「敵ッ!? クリスか?」
「ちげぇよ、悪い魔法使いだよッ!!」

 奏に怒鳴って告げると、了子の車から距離を取りメイジ達を迎え撃つべく変身する。

〈シャバドゥビタッチ、ヘンシーン!〉
「変身!」
〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉

 ウィザードに変身した颯人は、コネクトの魔法でガンモードのウィザーソードガンを取り出し迫りくるメイジ達に向け躊躇なく発砲した。

 それを見るや、奏は窓から了子の車の屋根に飛び乗りながら自身も迎撃の為にシンフォギアを纏う。

「Croitzal ronzell
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