後編
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の場にうずくまった。
「結局、幾月の裏切りは、ニュクスの下っ端であるこいつの仕業ということか。美鶴、お前の真の仇もこいつというわけだ。このままでは済まされないな。」
真田は美鶴の横に並んで立ち、彼女に語りかけた。
筋道が立った気がした。すべては人間を滅ぼすために仕組まれたことだ。幾月もそのために利用されたに過ぎない。
美鶴の心が一つの決意に集束した。倒すべきは目の前にいる邪悪な神だ。
「そのようだな。けじめはつけさせてもらおう。」
美鶴はオイジュスに向き直ると、召喚器を引き抜いた。
「ペルソナ!」
美鶴と真田、二人が同時に上げた声とともに戦闘が開始された。
『彼』も召喚器を握り締め先輩たちに並ぶ。すかさず ゆかり が弓を引き、援護に入った。
真田の電撃攻撃と美鶴の氷結攻撃。
対してオイジェスから放たれる攻撃を『彼』がペルソナの防御魔法で防ぐ。
その合間を縫ってゆかりの疾風攻撃が繰り出される。
連携の取れたフォーメーション。しかし相手は打たれ強かった。
特に電撃に耐性があるらしく、真田には不利な相手だ。
一方、疾風攻撃と物理攻撃は効果があるようだ。真田は物理攻撃主体に切り替えた。
その時、連続してガルダインを繰り出す ゆかり に向けて電撃が走り、もろに食らった ゆかり が倒れる。
「ゆかり!」美鶴が叫ぶ。
すかさずカバーに入った『彼』がタナトスを呼び出す。
さらに3人での激しい攻防が続けられるが、ついに敵の強力な攻撃に美鶴が倒れ、真田も膝をついた。
戦いは、敵の攻撃を『彼』一人で食い止める苦しい展開となった。
その戦いの背後で、うずくまったモルガナは自問していた。
「吾輩が・・・何者でもない? 吾輩の存在に意味がない? ただこいつらを罠にかけるための案内役?」
『本当にそれでいいのか?誰かにそう言われたら、それで納得できるのか?』
頭の中で何かがモルガナに語りかけてくる。
「冗談じゃない。吾輩がそれだけの存在であって堪るものか。」
モルガナは歯を食いしばり反論した。
「自分が何者かになろうとしている限り、可能性は無限大だ。意味が無いなどとは絶対に言わせない。」
皆の激しい戦いを見ながら、モルガナは気を奮い立たせる。
「吾輩だってこいつらのように自分の意思で立てる。戦える。吾輩は吾輩だ。」
『よかろう。その言葉を待っていた。』
何者かの声とともに、モルガナの目の周りを覆うように仮面が現れた。
『それでは契約だ。我が力を存分に使うが良い。』
「うあああああ。」
モルガナは叫び声を上げながらその仮面を力いっぱい引きはがした。
同時に、モルガナの背後にマスクとマントの剣士が出現する。
『お前の存在を決めるのは他者ではない。己を信じることこそが己を己たらしめる。
我は汝、汝は我。己が信ずるもの
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