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ペルソナ3 ファタ・モルガーナの島(旧版)
中編
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いドロボウ猫だ。」
「猫じゃねー!」
すっかり定着してきた掛け合いに、ゆかり は『彼』と顔を見合わせてため息をついた。
時折、回避できないところにシャドウがいることもあったが、ペルソナを呼び出して周りに気づかれないよう速やかに処理した。

「お前ら、なかなかいい素質がある。見どころあるぜ。」
モルガナが上機嫌で言った。
どれだけ進んだろうか。ある小部屋に入り込んだところで一息つくこととなった。
彼の話によると、この部屋は認知の歪みにより、敵に気づかれずに居ることができるらしい。
さすがに緊張の連続で、皆疲れた表情を浮かべていた。
「吾輩も前回ここまでは潜り込めた。もうすぐ目的地だ。この先に、大きなホールがあって、そこにこのパレスの主の玉座がある。」
「玉座・・・王様気取りというわけか・・・。いったいどんな人物なのか。」
美鶴がつぶやく。
「だがそいつと対決する前にまずやる事がある。」モルガナがひと際声を上げた。
「やる事?・・・なんだ?」真田がモルガナに聞き返す。
「オタカラをいただくのさ。」
モルガナがニヤリと笑った。
「オタカラ?・・・お前、本当にコソ泥するつもりなのか?」
真田がさげすむような口調で言う。
「オタカラというのは、奴を歪めている欲望の源のことだ。それを奪えば、奴の心の歪みが無くなり『改心』する・・・はずだ。」
「はずっ・・・て、試したことないの?」ゆかり が問いかける。
「う・・・まだ・・・成功したことが無い。」モルガナの声が小さくなる。
「じゃあ、本当に改心するかもわからないわけだな。」真田がたたみかける。
「いや、改心はする・・・はず・・・」
モルガナのもの言いがだんだん自信なさげになってくる。
「改心するとどうなるの?」『彼』が訪ねた。
「歪みが治り、自分のしてきたことを後悔する。つまり真人間になる・・・はず。」
「はずって・・・」ゆかり がため息をついた。
「それって、どこにあるの?」
「まだわからねーが、すぐ近くに感じる。方角的に、きっと玉座の近くにある・・・はず・・・。」

しばらく休息した後、再びモルガナの導きで先に進むことになった。
やがて広い空間にある、ひと際豪華な扉の前に出た。
しかしモルガナはその扉を開けず、近くの物置部屋の中から床下の穴へもぐり、やがて目的地である大きなホールの物陰に抜け出た。
全員でそこに身を潜めながらホールの中の様子を伺う。
広く天井が高い。3階分ほどの高さだろうか。豪華なシャンデリアがいくつも下がっている。壁沿いには彫刻の像が間隔をあけて立ち並んでいる。
入口からは赤いカーペットがまっすぐに敷かれ、その先の一段高くなったところに玉座はあった。玉座の前に人影が見える。
人の声が聞こえてきた。
「侵入者はまだ見つからないの
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