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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
始まりの章-世界は終わった、しかし物語はここから始まる-
その日少年(ぼっち)は、運命(ひきこもり)と出会う
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で助かるルートってありますかね?
ない?そっかぁ!!(諦め)

「ちっくしょう!どっか行け!!あっちのデブの方がうまそうだろーがよぉ!!!」

逃げ惑うモブ生徒のデブにターゲットを移させようとしたがやはり無駄。
こいつらは、中々捕まらない俺に興味を示している。

「くっそ…俺ここで死にたくはねーんだけどなぁ!」

ここでワイバーンのご飯になって胃袋におさまる?
そんなのゴメンだ。
俺には夢があったじゃないか。
引きこもって、悠々自適に暮らす夢が。
それをここで諦めていいのか?いや、そんなわけない。
夢というのは叶えるためにある。
だからその為には死んじゃいけないし、生きなきゃいけない。
しかし、目の前に迫るのは残酷な現実。
大口を開け、俺の頭を思い切り齧りつこうとするワイバーン。
あ、やっぱだめだこれ。
そう思った時だった。

「…え」

目の前を、何かがスっと通り過ぎた。
小さな物体が、恐ろしく速いスピードで通り過ぎワイバーンの間をくぐり抜けていく。
それと同時に、

「Gyaoooo!!!」

その小さな何かに翼を切り裂かれ、俺を囲んでいたワイバーン達は無様に落ちる。

「…何が起きた?おい。」

もがくワイバーン。広がりゆく血溜まり。
そしてその中にヒラヒラと落ちる、折り紙。

「なんだよ…これ。」

思わずそれを拾い上げてしまう。
紫色の折り紙。
折った事はないが、見たことはあるその折り方。
まさかこの”蝙蝠の折り紙”が、俺を助けてくれたのか…?

「…。」

夢の見すぎか、はたまたねぼけているのか、
そう思ったがこれはれっきとした現実。
そしてこれが現実ということは…

「いる…いるってことか?」

今ここで起きていること、そしてこの折り紙蝙蝠の持ち主、
かつて幼少時探偵に憧れていた俺は持ち前の推理力を駆使し、一瞬で全てを超速理解した。

そう、

「そこにいるんだな…”おっきー”!!!」

おっきーが、刑部姫がそこに”いる”ってことに!!!

「いるんだろ?なぁおい!!」

しかしなんということだろう。
呼んでも呼んでも彼女は来ない。
俺の推理が外れた?いや違う。きっと恥ずかしがり屋さんなんだろうな。

「Gyaooooooo!!!」
「ぎゃあああああああああ!!!」

と、登場を待っていたら手負いのワイバーン達が噛み付こうとしてくる。
どうやらさっきの攻撃は俺がしたものと思い込んでるらしく、俺に対して食欲よりも殺意が湧いてるみたいだ。

だめじゃん。
誰だよ攻撃したやつ。誰だよワイバーン煽ったの。
なんか急に馬鹿らしくなってきたわ。何が刑部姫がいるだよ。妄想と現実の区別くらいつけよバカ。


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