SS:影との邂逅
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れにコピーエックス様の不馴れな公務の手助けのために日夜駆け回っておりました。そして…気付いた時には…」
「…手遅れだったんだね」
気付いた時には既に歪みきってしまったコピーエックスの“心”…だからこそ、ハルピュイア達はせめてコピーエックスの身だけでも守ろうと戦っていたのだろう。
考えてみればコピーエックスの境遇は哀れなものである。
同じ年頃の友達もおらず、行動も制限され、仕事上で一部の特権階級の人間やレプリロイドに労いや命令の言葉をかける以外の会話があるかも分からない。
恐らくハルピュイア達もコピーエックスの公務を支えるために日夜駆け回っていたとのことからコピーエックスは四天王との会話もあまりなかったのかもしれない。
「………頑張ったんだね」
立ち止まってファントムの頬を撫でるルイン。
「母上…」
「二人のエックスのために頑張ったんだね…偉いよファントム」
「そのようなことは…」
四天王の誰もが罪のないレプリロイドを殺すことに罪悪感を感じていないわけではなかった。
そんな気持ちを押し殺してまでファントム達は頑張ったのだ。
「君達が優しい子達なのは知ってる…だからあまり自分を責めないで…例え何があっても私は君達の味方だよ…だって私は君達のお母さんだから」
優しく微笑むルインにファントムもまた微笑んだ。
「感謝致します…母上」
母親の愛情に触れたファントムはこの奇妙な偶然に感謝し、ルインをサイバー空間の出口へと導いた。
「ここを通れば現世へと戻れるでしょう」
「ありがとう、ファントム……今までエックス達を守ってくれてありがとう。これからもみんなを見守ってくれる?」
「…御意」
互いに微笑みながらルインはサイバー空間の出口に飛び込み、ファントムは再び自分の成すべきことのために闇へと消えた。
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