SS:影との邂逅
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ろうと思っていた母がこうして自分の隣を歩いていることに。
いや、会う機会は何度も会った。
オメガが現れたことでサイバー空間と現実の境界線が曖昧になった時…いや、それ以前にもその気になればエックスのようにサイバーエルフの状態で会えたはずだ。
だが、ゼロの戦いの末を見届けたいと言う自分の想いを貫くために、少しでも力を温存しておきたかった。
レプリロイドの魂がサイバーエルフとなって現実の世界に現れるにはそれなりに力を使うのだ。
エックスは何度もサイバー空間と現実の世界を行き来して、ゼロ達を助けるために力を使い続けたことで一時は存在が危うくなってしまった。
オメガとの戦いに参戦しなかったのも、そして周りが…ハルピュイアですら何も言わなかったのもファントムの性格を理解していたのもあるであろうし、何よりもエックスのために四天王の長兄として、忍びとして自分の気持ちを押し殺してきたファントムの初めての“我が儘”だったからだろう。
ファントムはいつも表向きにできない仕事を速やかに、誰にも知られることなく処理してくれた。
ネオ・アルカディアが過剰とも言える人間優位な政策を進めるようになってからは、“汚れ仕事”までやって来た
世の中綺麗事ばかりでは通用せず、ファントムはネオ・アルカディアやエックスのためにずっと汚れ役をこなしてきた。
そして最期にはコピーエックスを守るために自爆までしたのだ。
そんなファントムのことを知っているからこそ誰もが彼の言うことを認めたのだろう。
「それにしても不思議だね」
「?」
「私が目覚める前に君は死んでしまったんでしょ?だから君と会うのは無理かなって思ってたの。それなのに今、私の隣に君がいるって言うのは不思議な感じがしてね」
ファントムはまさか母も同じことを考えていたことに微かに苦笑を浮かべた。
「実は拙者も同じことを思っておりました。拙者もまさかこのような形で母上と相見えるとは…」
「そっか」
母子揃って同じことを考えていたことに互いに苦笑を浮かべた。
しかし、次の瞬間にルインは表情を引き締めてファントムに今まで気になっていたことを尋ねた。
「ファントム…君はネオ・アルカディアの人間優位の政策をしているのがコピーのエックスだって知ってたんだよね」
「御意、拙者もどちらのエックス様にも仕えておりました」
「コピーのエックスだって知ってたならどうして君は…ううん、君だけじゃなくてハルピュイア達もあの子に従っていたの…?」
それを聞かれたファントムは少しだけ目を瞑ると、ルインの方を振り返った。
「それについてはコピーエックス様の誕生の経緯が関係しておられます。」
「コピーエックスの誕生経緯?」
「元
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