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俺様勇者と武闘家日記
第1部
カザーブ〜ノアニール
師の願い
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あ自分だけじゃなく、他の人の未来も見えるってことなんだね! すごいじゃんナギ!」
 私は目を輝かせて言った。ナギはまんざらでもない様子でふんと鼻を鳴らした。
「まーでも、見たいときに見れないのが難点だよね〜」
「それに内容が抽象的過ぎて忘れちゃうよね」
「なんだよお前ら! 散々上げといてから一気に落とすんじゃねえよ!」
 シーラと私の鋭い指摘に、長くなりかけたナギの鼻がぽきっと折れた。
 ユウリと違って、ナギだとこういう冗談も言えるからつい言い過ぎちゃうんだよね。気をつけよう。
 私たちはひとつ残らず朝食を平らげると、お母さんとエマにお礼を言った。
 ユウリもあんな態度をとってはいたが、エマが作った分のお皿も残さず食べていたので、エマはとても喜んでいた。
「もう出発するのかい?」
「うん。これからノアニールに向かうから、早めに出るつもり」
「ノアニール……。そういえば昨日言ってたよね。何でまたそんなところに?」
 私は二人に事情を話した。すると、ノアニールがそんな事態になってることを知らなかったようで、二人は顔を見合わせた。
「なんだか心配だね」
 エマが言うと、お母さんは意を決したように私たちの方を見た。
「そんな遠いところに行くんなら、途中でお腹空くだろ。ちょっと待ってな。今から急いでお弁当作ってあげるよ」
「え、いいよそんな無理しなくて」
「ダメだよ! 食事はちゃんととらなくちゃ! 生きてく上で健康が第一なんだよ!」
 お母さんにぴしゃりと窘められ、小さくなる私。隣でユウリが小さく呟いた。
「親が親なら子も子だな」
「? 何か言った?」
 ユウリはなにか言いたげな顔をしたが、それきり無言だった。


 日が高くなりはじめた頃、私たちは皆に笑顔で見送られながら、実家を後にした。
 途中で村の教会に寄り、神父さんに夕べお墓を掘り起こしたことを謝ると、神父さんは怒るどころか、私が来ることを察していたようだった。
「フェリオさんからお話は伺っています。自分の弟子にどうしても渡したいものがあるからと。もしお墓を掘り起こしても、咎めないでくれとおっしゃっていましたよ」
 師匠の優しさに、私は胸を打たれた。そこまで気にしてくれてたなんて。
「そうだったんですね。ありがとうございます」
 私は神父さんにお礼を言うと、教会を出た。道具屋で旅支度を済ませ、村の反対側の出入り口へと向かう。
「もう出発しちゃって平気なのか?」
「うん。アリアハンに旅立つときにもうお別れの挨拶しちゃったし、それにあんまり長くいても別れるのが惜しくなるだけだもん」
 平気と言えば嘘になるが、私だけ家族や村の皆にいつまでも甘えるわけにはいかない。
「ミオちん、その荷物って全部お弁当?」
 シーラが気になっているのは、私が持っ
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