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NARUTO 桃風伝小話集
その41
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、否定の言葉を返さない。
ナルトが動揺していた?
一体、何に。
サクラが疑問に思ったその時だった。
溜息と共に、サスケが再び発言した。
「だから言ったんだ。良いか、ナルト。その程度の事で平常心を保てず、動揺して冷静ではいられなくなるお前には、忍として生きていく事は無理だ。オレの言葉通り、落ち着いたら忍を辞めろ。さもなくば、割り切れ」
厳しい調子で繰り返された、イノもサクラもナルトへのサスケの求婚の言葉と思った言葉の放つ、あの時には気付けなかった重みに気付き、そして、サクラもサスケが何の事を言っているのかを悟る。
そうして、サクラも気付いた。
大量の血の臭いと獣達の死骸に紛れて、忍のものだろう死体の痕跡も、あの場所には確かにサクラも感じていたのだから。
けれど、ナルトが手の込んだ朝食まで用意して、いつも通りに穏やかに笑って平然としていたから、気付かなかった。
流石ナルト、と、感心すら、した。
「目を覚まして監視迎撃用の分身の記憶を引き継いでから、ずっとそれに動揺していたんだろう。いや、違うな。分身の方も動揺していたな?だからあんなに手の込んだ朝飯を用意していたんだ。平常心を保とうとして」
そんなサクラの見る目の無さを、サスケのナルトへの叱責の声が暴いていく。
「このウスラトンカチが!忍として一人で処理しようとしたその気概と判断は褒めてやる。お前のその判断と行動は正しい。だが、自己把握の判断は正確にしろ!決して身の丈に合わない判断をして、無理してんじゃねえ!」
「っ、でもっ!だって!」
サスケの叱責に堪えきれなくなったらしいナルトが、とうとう涙声で根を上げた。
「だって僕、忍だしっ!」
「一々傷付いた動物や植物を見つける度に、オレを呼んでまでそいつらの手当てをしようとするお前が、いきなり一人で抱えて耐えきれるタマか!そういう時こそオレを頼れ!何のためのスリーマンセルだ!」
「でも!」
「そうやって、お前が強がって無理をした結果が、大蛇丸に自分の腹をぶち抜かれる結果に繋がっているんだろうが!もう一度言うぞ。ナルト。一人で無理をするな。耐えられないと少しでも思うならオレを頼れ!お前が忍として生きていく道しかないのは、オレも承知している!だから、話ぐらいは聞いてやるし、助言するくらいならしてやる。繰り返すが、その為のスリーマンセルだ!お前は忍になりたての未熟な下忍なんだ!最初から全てを自分一人で上手くやろうとするな、このドベ!イルカも言っていただろう!少しずつでいい。それはお前も理解しているだろう」
「…うん」
「なら、次は無理するなよ。己を見誤って二度とこんなへまをするな。いいな?」
「……うん。ごめんね、サスケ」
サスケの叱責に、ナルトがしょんぼりと気落ちしたのが分かった。
ナルトとサスケのやり取りに、全身に冷水を浴
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