第8章:拓かれる可能性
第240話「根源接続」
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手が打てない。
「ッッ……!!」
だが、自我が消える、その一歩手前で司は歯を食いしばり、踏み止まった。
「(優輝君を……助けるんだ……ッ!!)」
“意志”を以って、根源と同化するのを阻止する。
消えかけた自我がはっきりと戻り、根源との接続が完了する。
「イリスを倒す……そのために、“世界”の総てを以って、立ち向かう!!」
最後の一手、“世界”に住まう全ての生命の“領域”を共有させる。
根源に接続した事で、司側からアクセスしてそれを為した。
「いい加減……鬱陶しいんですよ……!!」
その時、イリスの相手をする奏となのは目掛け、大規模の“闇”が放たれた。
それまでの攻撃と違い、既に更地になった国守山一帯を軽々呑み込む大きさだ
なのはや奏どころか、その場で戦っている全員を巻き込む。
「ッ……!」
回避をしようと、奏が移動魔法を連発する……その直前で間に合わないと悟る。
なのはも防御魔法で耐えようとするが、それだけでは耐えられないと確信した。
「(それでも、耐え抜く……!!)」
死ぬことはない今なら、それでも耐える事は可能だ。
魂すら焼かれそうな衝撃に、二人は備える。
「『……させないよ』」
だが、その瞬間、イリスの“闇”の勢いが格段に衰える。
「“領域”が……!?」
「撃ち抜いて!」
そして、衰えた“闇”が極光に撃ち抜かれ、相殺された。
「……なるほど、“領域”の共有による対抗ですか……小賢しいですが、理に適った戦術ですね……!」
「……ここからは私が……ううん、この“世界”そのものが相手だよ。イリス!!」
一つの世界において、最も強い“領域”を持つ存在は何になるか。
人はまずありえない。数が多いだけで、“領域”に大した強度はない。
ならば、他の動物か?これもあり得ない。所詮は自然の中で生きる生命だ。
となれば、超常の力を持つ人外の存在か?
しかし、これも違う。妖怪や神などは、確かに強い。
だが、それより強い“存在”がある。
そもそもの話だ。“領域”とは、その存在が持つ周囲への影響力に比例する。
つまり、その世界で最も周囲への影響を与えている“存在”が最も強い。
世界で最も影響が強い……となれば、それは即ち“世界そのもの”しかないだろう。
「(“世界そのもの”で、イリスに対抗する……一人一人だとイリスの“闇”に対抗できなくても、一つの世界が相手なら……!)」
いくら何でも、“世界”を一瞬で蹂躙出来る力をイリスは持たない。
持っているのであれば、こんな態々潰しに来る必要がないからだ。
そこから、“世界”の“領域”であれば対抗できると司は踏
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