一発ネタ
【お試し版】もしも十二国記の転生者が王になったあと蝕で真・恋姫?無双の世界に流されたら?A
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「徇王はまだ見つからないのか……」
「もう5年も経つがいまだに手がかりすらみつかっておらん。白雉が鳴いていない以上生きているのは確かだが」
「もしかして異世界に流されてしまったとか。いやまさかな」
「いま、なんとおっしゃいましたか?」
うららかな午後、慶国の金波宮では、景王が私的に客を招いていた。
青空のもと、東屋には3人の影がある。
5年前から続く懸案事項について、延王尚隆と景王陽子が会話を続けていた。
尚隆は覇気ある大柄な青年で、陽子は赤髪緑目、男装が特徴的な少女だった。それぞれが麒麟に選ばれた王である。
黙って会話を聞いていた偉丈夫は遠慮がちに座りながら――伏礼は慶国では廃されている――思わずといったように口を挟んでいた。
非礼にあたるが二人の王は気にも留めない。この場においては有難かった。
「いや、だから蓬莱には異世界が登場する作品が多くって。もちろん空想上の話だったけれどこうしてこの世界がある以上、他にも異世界があるんじゃないか?」
「異世界。蓬莱や崑崙ともまた異なる世界。もしや徇王が蓬莱や崑崙にいないのもそれが理由ではないか」
突飛な意見に思える。だが、今の状況そのものが突飛といえた。なにせ全く見つからないのだ。手がかりすらない。同じく蝕で流された泰麒の発見にも時間がかかったが、あの時と同じく総出で探しているにも関わらず。蓬莱とて狭くはないが、王気を頼りに5年も探せば手がかりくらいは見つかってよいはずである。
泰王捜索の経験があるからなおさらだ。この場にいない復興途上で忙しい泰王、驍宗も共に捜索に力を貸している。いずれの国も舜国、徇王には大いに借りがある。
うすうす蓬莱にはいないと気づいてはいた。とはいえ異世界。概念そのものがなかったので、盲点といえた。
陽子と言葉交わすが、蓬莱では異世界は一般的な知識であったらしい。もちろん、空想上の話であるという注釈をつけたが。
転生者。憑依。オリ主。チート。中二病。銀髪オッドアイ。TS。最低系。ニコポやナデポ。
陽子も聞きかじりの知識を教えてくれたが、前衛的過ぎて尚隆には理解できない部分もある。
もしこの場に徇王がいればのたうち回っていたことだろう。踏み台転生者には黒歴史が多すぎる。
なにせ彼は銀髪オッドアイであった。生まれてから昇山に失敗するまでは、調子に乗っていたからなおさらである。
「しかしどうやって探すか」
「薄くだが王気が感じられるのだから、それを辿ってみればいいんじゃないか?」
「ふむ、目印があれば行けるやもしれませんね」
「おお、延台舗、景台舗まで。有難く!」
離れて黙って見ていた麒麟の二人も加わり議論が盛り上がる。
最後にいくつか問答を終える
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ