愛しい女(ひと)
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位を継いでよ!そうすれば僕が帰らなければならない理由も無くなるし!うん。そうしよう!…頑張って、ティミー国王陛下?」
「いい加減にして下さい、リュカ国王陛下!グランバニアの国民は、貴方の情けない息子の事より、貴方自身を望んでいるんですよ…たった数年で国力を倍にした貴方を…」
「ちょ…ちょっと待ってよ!え!?何?国王…陛下?リュカさんが…?嘘…マジ…!?」
リュカ親子の会話に割り込み、ウルフが話を脱線させる。
「前に言ったじゃん…王様してた事…忘れちゃった?」
「た、確かに…言ってた…け、けどさ!」
「ウルフ君!悪いんだけど、後にしてくれないかな…確かに父さんは、いい加減で、チャランポランで、不真面目で、女誑しで、トラブルメーカーだけど…これでも立派な国王なんだ!嘘みたいだけど、国民の支持が極めて高いんだ!だから説得の邪魔をしないでくれ」
「ご、ごめんなさい…」
「いや、謝る事はないよ。…それに君達にも死活問題なのでは?…確かに父さんはトラブルを引き寄せるし、戦わず歌を歌い傍迷惑だけど、危険な旅路では生存率を上げる効果もあると思うんだ!」
「わぁ…息子の言葉から、父への尊敬の欠片も見つけられない…」
「何を今更…大分前からでしょ」
「えぇぇぇ!マジッスかビアンカさん!気付かなかったなぁ…」
アルルはイチャ付く夫婦に詰め寄り説得をする。
「リュカさん!元の世界に帰らないのは構いませんけど、この世界を平和にする旅には来て下さい!まだ私はリュカさんから学びきってません!」
「え〜…危険な事は嫌いなんですけど〜」
「何だよ!リュカさんどうせ戦闘しないんだからいいじゃんか!」
「どうせ戦闘しないんだから、行かなくてもいいじゃんか!」
「「「くっ!」」」
ティミー・アルル・ウルフが説得するも、揺らがないリュカ。
そしてビアンカが、マリーにそっと目配せをする…
「お父様…お父様とお母様が帰らないのならば、私もこの世界に残ります!…でもアレですよね…この世界ってどこもかしこも治安が不安定で、私みたいな幼い少女は攫われちゃうかもしれませんよね…攫われちゃったら、あーんな事や、こーんな事をされちゃうかも…平和な世界かぁ…まぁ私はお父様とお母様が居れば幸せですけどね!」
「マリーをダシに使うなんて…ズルイよ!」
「ふふふ…ごめんなさいリュカ。でも、勇者様が2人も居る旅なのだから、そんなに危険じゃ無いわよ…それにアルルちゃん達も強くなってきてるじゃない」
「………僕等の勇者様の装備が情けないんだけど…コイツ、グランバニアの剣しか装備してないよ!」
「仕方ないじゃないですか!僕はグランバニアの兵士なんだから!それにこの剣はザイル君が作ってくれた特注品ですよ!」
憤慨するティミーを見てビアンカも援護に回る。
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