第8章:拓かれる可能性
第239話「幽世の意地」
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ものじゃない。
子供の駄々のような、意地。それで紫陽は立ち続けている。
最も単純で、だからこそ諦めの悪い意地を張り続ける。
「っ……!」
「どうして、そこまで……」
「……あんたにもわかる事さ。……守りたいモノがある。それだけさ」
聡の言葉にそう答え、紫陽は微かに笑う。
そして、先程よりも多い霊術の陣を展開し、放つ。
それによって、押され始めていた戦線を何とか立て直す。
「(……どうあっても押されてしまう。どうやら、あたし達だけじゃ倒しきる事は出来ないようだね……。とこよ、やっぱりあんたがいなけりゃ、あたし達はダメらしい)」
しかし、紫陽の分析では、いずれジリ貧で押し負けると分かってしまった。
出来たとしても、時間を稼ぎ続ける事だけ。
とこよが戻ってくるのを期待するしかなかった。
……だが、それでも、諦める事だけはしなかった。
「ここはあたし達の住まう世界。あたし達の“領域”だ……!余所から侵略しにきた連中に、好き勝手されたくないんでね……!!」
故に、紫陽は立ち続ける事を決してやめなかった。
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