第8章:拓かれる可能性
第239話「幽世の意地」
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未だにとこよに適用されている。
しかし、実際圧倒されていたのは神の方だった。
「シッ……!!」
正面からの攻撃を刀で弾き、そのまま側面からの攻撃を躱しつつ蹴りを決める。
反動で体が浮き上がり、その間に神力を掌に集束。
海面に叩きつけ、炸裂させた衝撃波で“天使”を吹き飛ばす。
「後、二人!!」
間髪入れず、とこよは追撃に出る。
刺突で吹き飛んだ“天使”の喉を貫き、そのまま切り上げで頭を裂く。
直後に神力による雷が“天使”を焦がす。
……たったそれだけで、その“天使”は倒れた。
「ッ!」
反撃に大量の理力による弾幕が降り注ぐ。
しかし、とこよは最低限の弾だけ刀で弾き、他は全て躱していた。
空中での機動もなんのその。霊力を足場にフェイトや奏などを軽々と超える速度で動き回っていく。
「っ、がぁっ!?」
「これで、もう一人!!」
「ッッ!?」
そのままの速度で、“天使”を蹴り飛ばす。
間髪入れずに方向転換し、思兼の矢で神を牽制する。
そして、もう一人の“天使”に狙いを定めた。
「くっ……!」
「……!」
勢いのままの刺突は障壁に止められた。
だが、とこよは止まらない。
八つの神力の雷が障壁を焼き、斬り返しの刀が障壁を切り裂いた。
「微塵に散れ」
―――“秘剣・塵桜”
刹那、“天使”が木端微塵に切り刻まれる。
神力を用いて放たれたその技に、“天使”の“領域”が砕かれた。
「あり得ない!」
「ッ!」
そこへ、神が直接攻撃を仕掛けてくる。
理力による不定形の武器を手に、とこよと同等以上の速度で斬り合う。
「こんな事、あっていいはずがない!!」
「くっ……ッ!!」
さらに、最後の“天使”が襲い掛かってくる。
飛び退き、その攻撃を躱し、追撃に備える。
後退を続けつつ、海面を利用した氷の霊術で牽制する。
同時に弓矢を連射し、容易に近づけないようにした。
「ありえる、はずが……!」
「口調が崩れるなんて、随分焦ってるね?」
「っ……!」
―――“刀奥義・一閃-真髄-”
神が大きく弾かれる。“圧倒の性質”を持つはずの神が。
「(……本来あり得ないはずの事。それが起きているから、ここまで“圧倒”出来る。本当なら、もっと苦戦していたはずなんだけどね)」
とこよにとっても、それは予想外の事だった。
誰も気づいていない事ではあったが、これには訳があった。
第一に、神は飽くまでとこよ本人しか“圧倒”していない。
降ろしている神の事を視野に入れていなかったのだ。
これによって、まず強さで“圧倒
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