暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第239話「幽世の意地」
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するものなら、紫陽の開いた幽世の門から繰り出す妖は他の神々と“天使”全てに対する攻撃となる。
 一体一体は簡単な攻撃で倒されるが、それ以上の数で襲い掛かる。

「……なんて光景だ……」

「まぁ、見た目も規模も神話みたいなものだからね……」

 聡が思わずそう呟き、那美が障壁をいくつも展開しながらその言葉に同意する。

「っ、来た!」

「ッッ……!!」

 そこへ、“天使”の一人が突っ切って襲い掛かってくる。
 彼らの目的は優輝の友人である聡と玲菜だ。
 厳密には優輝と交友がある存在は全て対象だが、無力な二人から狙うのは戦闘における定石なため、優先して狙われていた。
 当然、庇う必要があるため、どうしても防戦となる。
 先程まではとこよと紫陽だけだったため、どうしても手が足りなかった。

「く、ぅ……!」

 二人と那美を庇うように、久遠が受けて立つ。
 今の久遠は、子供の姿から大人へと姿を変えている。
 普段より強くなれるが燃費の悪い形態だが、“格”の昇華があるためそのデメリットの心配もなく、全力以上を出せていた。

「久遠!」

「ッ、那美、ありがとう……!」

 那美の支援霊術が光る。
 身体強化や相手の妨害となる霊術を使い、的確に援護する。

「は、ぁあっ!!」

「っつ……獣如きに……!」

 大人形態であれば、久遠は五尾の妖狐となる。
 霊術や薙刀を扱うようになってからは、その力を十全以上に扱う事が出来る。
 薙刀と雷による連撃に加え、霊術を仕掛ける事で“天使”を後退させる。

「なっ!?」

「あたしやとこよが見ていないとでも?」

 その瞬間、その“天使”は紫陽の霊術で吹き飛んだ。
 さらにとこよによって首を落とされ、他の神々の攻撃の盾にされた。

「やはりあの二人が厄介ですね……!」

 別の神が、とこよと紫陽を警戒する。
 明らかに主戦力となっているのは二人だ。
 そして、その二人に対して、決して邪魔にならないように他のメンバーが的確に戦線を展開して戦況を後押ししていた。
 それらを無視して聡と玲菜を狙おうにも、久遠と那美に受け止められる。
 一瞬でも受け止められれば、直後にとこよか紫陽、或いはその両方から手痛い反撃を受けると言う事を、神々も理解し始めたのだ。

「……ならば、その上で“圧倒”してみせようか」

「ッ!!」

 刹那、辻斬りしつつ戦場を駆けていたとこよが吹き飛ぶ。
 攻撃自体は防いだが、今のとこよの強さをして上回られた。

「とこよ!!」

「ごめん!各自補って!!」

 陣形が崩れると悟り、紫陽にそう言い放つとこよ。
 そのまま攻撃してきた神に向き直る。

「(……強い……!“性質”
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