第8章:拓かれる可能性
第239話「幽世の意地」
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
撒いた弾幕以外、命中する気配がない。
「ならば!」
「っ!」
そうなれば、当然“性質”による足止めが仕掛けられる。
“拘束”や“罠”、そういった足止めに適した“性質”でとこよに干渉する。
「ぐ、っ……これ、ぐらいっ!!」
「まだ動くか……!」
その上で、とこよは動く。
スピードはほとんど殺された。
足が止まり、攻撃が殺到する。
「っ……もう一柱……!来て、建御雷!!」
「何っ!?」
雷と共に、とこよはその攻撃を躱した。
回避しきれない攻撃は、雷を纏った槍で弾いた。
「既に三柱……相当な負担なはず……。あたしも、負けてられないねぇ……!」
「ちっ……止めろ!!」
一方で、紫陽も限界を超えた霊術の行使をしていた。
紫陽を中心とし、至る所に霊術の陣が出現。
そこから、炎や氷、雷に風、光や闇など、様々な属性の霊力が迸る。
神々にも負けない数の霊術を紫陽は構えていた。
「ハッ!あたしが無防備な訳ないだろう!ここにはこいつらもいるってのにさぁ!」
「な、にっ!?」
阻止しようと動いた神と“天使”に、矢と霊術、そして雷が飛来する。
咄嗟の障壁で防がれたが、その瞬間に背後を取られる。
「私達を忘れてもらっては困ります」
「ここで足掻かなくて、何が式姫ってもんだ!!」
蓮と山茶花が、それぞれの武器を振るう。
「那美!そこの二人は任せるよ!」
「うん、分かった!……久遠!」
「分かってる………ッッ!!」
紫陽が振り向かずに声を掛けると、聡達の後ろから那美と久遠が出てくる。
結界を張りつつ、那美が二人に駆け寄り、久遠が雷を放って牽制した。
「いくら何でも、海鳴の街でこんな大群を相手なんてね……」
「なんだ、怖気づいたのか?」
「そんなの、最初っからよ。……でも、ここで抗わなきゃ、それこそ終わりよ!」
鈴と鞍馬が流れ弾を避けつつ霊術を放つ。
……そう。アースラから地上へ降りてきた陰陽師及び式姫は、八束神社に留まらずにとこよ達の戦場の方へ来ていたのだ。
地力は遠く及ばずとも、気を逸らすぐらいは出来た。
「前の人生では、嘆きの最中死んだ。だから、今度の人生は絶対に後悔したくない。……そのためにも、例え怖くたって立ち向かうわよ」
「なるほどな……!」
そんな話をしながらも、鈴と鞍馬は霊術を放つ。
その霊術に続くように、コロボックルと織姫がそれぞれ矢と霊術を放ち、天探女と猫又が突貫、蓮と山茶花を援護する。
「最低一人は抑えな!数も質もこちらが負けている!あたしの妖で数は補えど、時間稼ぎしか出来ない!」
式姫達の連携が数人に対
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ