第8話
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ました」
「・・・・・遅い」
胸部へと、割と本気で小突かれて俺は軽く悲鳴を上げかけるが、ぐっと堪える。
そんな軽口を叩き合う最中でも、敵は待つことは無い。 アナザーエグゼイドの飛び掛りに気づき、アラタとスズナは互いに地面を転がりそれを回避する。
「アラタ!! やれ!!」
やや離れた距離で銃を構える石田からそんな伝達が来る。 だが、まだアイツが来てない。 そんな状況で変身するのは論外だ。 だから、敢えて肉薄を許して、変身を簡単に出来ないシチュエーションを敢えて作る。
『???ッ!!』
「ぐおっ!!・・・・・がハッ!!」
だが、それはアナザーエグゼイドに無償で痛めつけられる事。 致命傷になりそうな爪の引っ掻きを何とか交わしていくも、ガラ空きの脇腹にアナザーエグゼイドの蹴りが入る。
俺の体は風船のように宙を飛び、地面に勢いよく叩きつけられる。 地面に勢いよくぶつかった衝撃で、思わず唾液が飛び散る。
「アラタさん!!!」
「ぐっ・・・・・はぁ、まだ、終わんねぇよ・・・・・」
朦朧とする意識を、唇を強く噛んで血を流すことで無理やり起こす。 地面にひれ伏すアラタに、アナザーエグゼイドがトドメを誘うと助走をつけた、その時。
「ナオヤ!!!!!!」
・・・・・やっと、来たか。
乱入してきた、声の主に誰もが驚く。感情の起伏が薄いスズナや、ゲンですら。ここに居る、アラタとジュンイチロウのみを除いて。
『・・・・・ヒロ、キ』
「もうこんな事はやめろよ!! ユナも俺も、お前がこんなことをする事を望んでない!」
ヒロキの額は、汗まみれとなり、息も荒い。だが、その眼だけは死んでいなかった。そんな彼の姿に、アナザーエグゼイドは僅かに喋る。 だが、アナザーライダーの力は僅かに残る理性をも喰らい尽くそうとする。
『ァァッ・・・・・????!!!』
「がっ・・・・・ぁ、ぐっ!!」
悶え苦しむように、周りに対して爪を振るいながら、猛然とヒロキに突進し、彼の首を掴む。
だが、彼はそれに抗いながら言葉を紡ぐ。
「俺、さ・・・・・ユナが目を覚まさなくなってから、ずっと考えてた。 お前が、日に日に憔悴してくの姿を見て、ずっと何とか出来ないかって」
『???・・・・・ッ!!』
「だけど、初めから答えはそこに、あったんだよ。 アイツの傍に居続ける事が、ユナにとって、何よりの支えに、力になるんだって」
その言葉が、アナザーエグゼイドの動きを鈍らせる。 支配されつつある中で、ナオヤという青年の心に届いたのだろうか。
それに続くように、アラタは片膝に手を乗せ、ゆっくりと立ち上がり仮面を被り続けてるだろうナオヤに語りかける。
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