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レーヴァティン
第百四十七話 捕虜と外交その十二

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「ロシア革命でもそうだったね」
「ああ、ロシアは凄く多くのものを失ってな」
「ソ連が出来たね」
「それまでに沢山の人が死んでな」
 そしてとだ、久志は淳二に話した。
「失ったものもな」
「多かったね」
「かなりな」
 実にというのだ。
「人命も他のものな」
「目に見えないものっていうかな」
「そうしたものまでな」
「革命は破壊したな」
「そうしたものだからね、革命は」
「やるべきじゃないな」
「君は革命を否定してえるね」
 淳二は久志に問うた。
「そうだね」
「ああ、はっきりとな」
「それはいいことだよ」
 まさにとだ、淳二は久志に話した。
「本当に」
「国を攻め取っていってその中で国の仕組みを変えていくやり方でか」
「いいと思うよ、革命よりもね」
「そうだよな」
「若し革命を戦争の中でしたら」
「とんでもないことになるな」
「本当に多くのものを失うよ」 
 社会変革、それを成し遂げる中でだ。
「そうなるよ」
「だよな、革命は劇薬だよ」
「それも下手したら姿形を変えるまでに」
「後で副作用が出たりな」
「そんなものだからね」
 かつてのフランスやロシアがそうであった様にというのだ。
「しない方がいいよ、劇薬は出来るだけ飲まないことだよ」
「他の薬を飲むべきだな」
「そうだよ」
 まさにとだ、淳二は答えた。
「すぐに治っても一気にじゃなくてね」
「程々のな」
「そうしたお薬でね」
「時間をかけてやった方がいいな」
「そういうことだね」
「ああ、じゃあこれからな」
「アルカーサルまでだね」
「兵を進めてな」
 勿論自分達も赴いてというのだ。
「そしてな」
「そのうえでね」
「マドリードに降伏勧告するな」
「そうするね」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「それで戦が終わればいいな」
「本当にそうだね」
 こうした話をしてだった、久志は軍を率いてアルカーサル自分達に降ったその街に向かった、そしてそこからさらに手を打つのだった。


第百四十七話   完


                 2020・1・23
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