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レーヴァティン
第百四十七話 捕虜と外交その十一
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 地主は国家の下にある、そしてチェックも受ける存在だというのだ久志達の地主に対する認識である。
「領邦国家にはな」
「しないわね」
「冗談抜きで領邦国家に戻そうとして叛乱が起こったら」
「その時はね」
「戦ってな」
 そうもしてというのだ。
「抑えるさ」
「そうして中央集権を進めるのね」
「ああ、幸い征服して降してそこで政やってな」
「勝者でもあるから」
「しかも皇帝でな」 
 至高の座にあってというのだ。
「最初から権限強いし大軍も持ってる」
「敵の領主も従えやすくて」
「中欧集権化も進めてるけれどな」
 それも順調にだ。
「若しもな」
「叛乱が起こっても」
「抑えるさ」
 そうするというのだ。
「俺はな」
「その覚悟もね」
「してるさ、まあ長靴の半島でも地中湖南岸もこの連合王国でもな」
「少し不満のある領主や有力者はいるだろうけれど」
「叛乱を起こしたり陰謀を企むまではな」
「至っていないわね」
「幸いな、最初から不満を抱かせないことも政にしても」
 それでもというのだ。
「一気に国家の仕組みを変えるからな」
「反発があるのも当然ね」
「そのことも考えてるさ」
 既にというのだ。
「それでやっているさ」
「そういうことね」
「今もな、ただな」 
 久志はこうも話した。
「急に全部取り上げたり武力で無理強いさせるのはな」
「それはよくないよ」
 淳二も言ってきた。
「どうしてもね」
「やっぱりそうだよな」
「革命の敵とか言って粛清していっても」
 既得権益層、それが貴族でも地主でも宗教家でも大聖人でもだ。
「後に残るのは破壊だけで」
「焦土になっちまうな」
「国自体がね」
「フランス革命なりロシア革命なりな」
「教科書ではよく書かれていたけれど」
 これはマルクス主義史観によるところが大きい、革命こそが正義であり社会変革の要であるという考えからくるものだ。
「その実はね」
「血生臭い殺し合いだからな」
「騙し騙され裏切り裏切られのね」
「ヤクザ映画みたいな、な」
「いや、ヤクザ屋さんはお互いで殺し合って」
 それでとだ、淳二はそうした世界の話もした。
「一般市民は狙わないね」
「巻き添えにしたらそこから終わるな」
「広島の抗争でもそこが問題だったしね」
 一般市民に巻き添えの犠牲者が出て彼等への反発が高まった、このことはこの抗争を舞台にしたシリーズ仁義なき戦いでも描かれている。
「まさにそこがね」
「問題になるよな」
「けれど革命は」
「一般市民巻き添えにしてもいいな」
「もう国家どころか世界の大義って考えるから」
 その革命自体をだ。
「もうね」
「一般市民を巻き添えにしてもな」
「革命の為の尊い犠牲だってね」 
 こ
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